表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

聖女なめんじゃねぇ!!!

――“癒す”だけじゃ、もう足りない。
交通事故から目覚めたら、見知らぬ神殿の床の上だった。
天川ひなた、17歳。気づけば“聖女”として異世界に召喚されていた。

「あなたの力で、国を救ってください」
「癒しの奇跡を、この地に」

誰もが頭を下げ、すがるような目で見つめてくる。

でも、その実態は違った。

“癒し”が使えるというだけで、私はただの回復係になった。

疲れたと言えば、「魔王と戦う覚悟がありますか?」と笑われ、
休みたいと訴えれば、「期待されているんです」と言い返される。
毎日、魔法を使っては倒れそうになりながら、それでも誰も心配してくれない。

食事は冷えたスープ。
睡眠は三時間。
火傷も、傷も、心の痛みも――誰にも見られなかった。

「私は聖女だから……」

そう信じて、笑って、癒してきた。
でも、癒すたびに、笑うたびに、
少しずつ、何かが削れていった。

自分でも気づかないうちに、私は壊れていった。

そしてある日。

傷ついた兵士を治せと怒鳴る神官に、
私は背中から突き飛ばされた。

「あなたは聖女なんだから、死なないでしょ!」

その一言を聞いた瞬間――


私の中で、
なにかが、プツンと音を立てて、切れた。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ