彩色の恋模様
母を守るため、愛のない婚約を受け入れた少女・和花
嫁ぎ先は、帝都の中心にある老舗呉服屋。そこで彼女は自らの感情を封じ込み、手描き職人として日々を淡々と“こなす”だけの生活を送っていた。
黒く長い道を手探りで歩くような日々。
そんな和花の前に現れたのは、陽だまりのような、すべてを包み込んでくれるような温かさを持つ、名家の御曹司だった。
彼との出会いは、灰色だった和花の心にそっと光を差し、彼女を色彩豊かな世界へと誘っていく――
これは、不思議な力を持ちながらも心を閉ざしていた少女が、青年との出会いをきっかけに「自分の人生」を色鮮やかに描きはじめる、愛と彩りの恋模様物語。