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5話で完結する、少し特別な恋愛物語

「大きくなったらお嫁さんにしてね」とお願いしたら、お兄ちゃんは笑って約束してくれました

作者:澄野 朔
最終エピソード掲載日:2026/10/25
 八歳の小春には、どうしても叶えたい夢がある。

 近所に住む、十六歳の「お兄ちゃん」のお嫁さんになることだ。

 夏祭りでは手をつないでくれるし、木に引っ掛かった風船も取ってくれる。

 でも、どんなに背伸びしても、お兄ちゃんは小春を妹のようにかわいがるばかり。

 そんなある日、大好きなお兄ちゃんが遠くへ引っ越すことになってしまう。

 離ればなれになんて、なりたくない。

 雨の日、学校の劇でお姫様役を演じる小春は、王子様の台詞を読んでくれたお兄ちゃんに、お芝居ではない本当のお願いをする。

「ねえ、お兄ちゃん。大きくなったら、お嫁さんにしてね」

 少年は、いつもの優しい笑顔で答えた。

「大きくなったらな」

 少年にとっては、かわいい妹分との何気ない約束。

 けれど少女にとっては、決して忘れられない、大切な約束だった。
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