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追放された帰還術師、廃駅で迷宮救助を始めたら最強剣姫の帰る場所になった~攻撃力ゼロでも、帰り道なら俺が作る~

作者:さくらろ
最新エピソード掲載日:2026/11/06
討伐報酬ゼロ。だから、お前は要らない。

八年間、探索ギルドの帰り道を守ってきた真柴奏は、攻撃力がないという理由で解雇された。使える術式は、自分が歩いた迷宮の道を出口につなぐ《帰路接続》だけ。魔物も斬れなければ、傷も治せない。

それでも、出口の消えた迷宮から届く救助要請を、聞かなかったことにはできなかった。奏が迎えに行った先には、新人の運搬係と、崩落を一人で支える最強の剣姫・朝凪凛がいた。どれほど強くても、帰り道がなければ地上には戻れない。

二人を救った奏が、廃駅を借りて始めたのは独立の迷宮救助所。父の遺した古い列車を整備し、定員十二人の帰還便を走らせる。護衛として残った凛は、遭難者には優しく、奏の無茶には厳しかった。強い彼女にも、座って帰れる席と、明日の朝食の約束が必要だったのだ。

最初の大仕事は、奏を切ったギルドの二十四人を救うこと。二便の列車で全員を帰し、救助の原記録を公表すると、功績を奪ってきた元上司は指揮権を失う。奏の名前で出した救助料の請求書と、凛が掛けた新しい看板。それが、誰かの都合で使い捨てられない仕事の始まりになる。

やがて、廃駅の地下から十年前に死んだ父の声が聞こえ始める。人の返事を待たずに動く自動帰還網、その失敗を隠す開発責任者。奏たちは、帰りたいという生きた人の意志を頼りに、最後の一便まで走り抜く。

攻撃力ゼロの帰還術師と、最強だけれど休むのが下手な剣姫が、救った人たちと自分たちの帰る場所を作る、迷宮救助の逆転ファンタジー。
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