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俺を捨てて勇者を選んだ彼女~ハズレ職業のギャンブラーになった俺は、毎日ダイスを振って強くなる

作者:のび犬
最新エピソード掲載日:2026/10/09
俺には、幼い頃から寄り添い合ってきた幼馴染がいた。

名前はアリサ。

「世界で一番、カイが大好き」

いつか結婚しよう。

そう言って、彼女は俺の頬にキスをした。

けれど、成人の儀で俺が授かったのは【ギャンブラー】。

対してアリサは、世界に一人の希少職【黄昏の魔女】。

彼女は、高慢な笑みを浮かべる勇者シオンと共に、魔王討伐へ旅立つことになった。

「魔王を倒して戻ったら、絶対に結婚しようね。毎日手紙を書くから、浮気したら駄目だよ?」

そう愛らしく微笑んで旅立った彼女は――すぐに手紙を止め、勇者の寝室へと通うようになった。

俺との安っぽい約束より、勇者の金。

俺との貧しい未来より、勇者の寵愛を受ける華やかな旅。

そして、勇者の腕に抱かれたアリサは、大きな宝石が輝く指輪を俺に見せつけた。

「ごめんね、カイ。私、シオン様みたいな『本物の英雄』の隣にいたいの。これ、シオン様から貰った婚約指輪。もう探さないでね」

……そうか。

だったら、もう俺も待たない。

俺には【ギャンブラー】の【ダイス】がある。

一日一回。

出た目だけ、自分を強くできる。

最初は「1」しか出ない。

それでもいい。

毎日振ればいい。

俺を『無能』と見下した勇者が、二度と届かない高みまで。

俺を『ゴミ』のように捨てた彼女が、血を吐いて這いつくばるまで。

俺は強くなる。

――さて。

俺を捨てたことを、いつまで後悔せずにいられるかな?
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