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式部省の呪詛係  作者: 浮田小葉子
第十三章 断罪
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八 帝の判断

 清涼殿。

 蔵人頭は、帝に裏帳簿を提出した。


主上(おかみ)、これが調査の結果でございます」


 帝は、裏帳簿を手に取った。

 そして、一つ一つ、読んでいった。


 藤原維時(ふじわらのこれとき)の事件。

 藤原行斉(ふじわらのゆきなり)邸の事件。

 賀茂光保(かものみつやす)の事件。

 賀茂保規(かものやすのり)の口封じ。

 萩野(はぎの)への呪詛。

 そして、数日前の麗景殿女御れいけいでんのにょうご潔子(ゆきこ)への呪詛。


 すべてが、詳細に記録されていた。

 そして、自身がまだ東宮であった頃からの事件も、十八年に渡って、すべて。


 帝は、読み進めるにつれ、顔が青ざめていった。


「これほど……」


 帝は、呟いた。


「これほど、多くの犠牲者が……」


 帝は、拳を握りしめた。


「道顕……」


 声が震えた。


「これは、すべて真実なのか」


 蔵人頭は、きっぱりと言った。


「そこに記された記録はすべて、真実であると。式部大丞(しきぶのだいじょう)藤原兼遠、式部少録(しきぶのしょうさかん)藤原真薫らの怪異雑掌(かいいざっしょう)が、記録してまいりましたそうです。――一つ一つ、確認してまいりました」


 帝は、裏帳簿を置いた。

 重い音がした。


 十八年分の、思いの音だった。


「藤原道顕を、呼べ」

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