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八 帝の判断
清涼殿。
蔵人頭は、帝に裏帳簿を提出した。
「主上、これが調査の結果でございます」
帝は、裏帳簿を手に取った。
そして、一つ一つ、読んでいった。
藤原維時の事件。
藤原行斉邸の事件。
賀茂光保の事件。
賀茂保規の口封じ。
萩野への呪詛。
そして、数日前の麗景殿女御潔子への呪詛。
すべてが、詳細に記録されていた。
そして、自身がまだ東宮であった頃からの事件も、十八年に渡って、すべて。
帝は、読み進めるにつれ、顔が青ざめていった。
「これほど……」
帝は、呟いた。
「これほど、多くの犠牲者が……」
帝は、拳を握りしめた。
「道顕……」
声が震えた。
「これは、すべて真実なのか」
蔵人頭は、きっぱりと言った。
「そこに記された記録はすべて、真実であると。式部大丞藤原兼遠、式部少録藤原真薫らの怪異雑掌が、記録してまいりましたそうです。――一つ一つ、確認してまいりました」
帝は、裏帳簿を置いた。
重い音がした。
十八年分の、思いの音だった。
「藤原道顕を、呼べ」




