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式部省の呪詛係  作者: 浮田小葉子
第十三章 断罪
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七 兼遠の報告

 その日の午後。


 帝の使者として蔵人頭が、正式に式部省を訪れた。


「式部大丞(だいじょう)藤原兼遠(ふじわらのかねとお)

「は」


「帝の命により、呪詛事件の調査を命じる。特に、麗景殿女御への呪詛について、詳細な報告を求めるものである」


 兼遠は、頭を下げた。


「承知いたしました」


 兼遠は、真薫を見た。


「真薫くん」

「はい」


 真薫は、手箱を開けた。


 十二個の裏帳簿。

 麗景殿女御潔子の呪詛について認めた調書。

 そして、兼遠が書き溜めた、十八年分の記録。


 すべてを、蔵人頭に差し出した。

 蔵人頭はその場で(あらた)めることは無かった。


 だが、確かに受け取り、慎重に頷いた。




「これで……」


 真薫は、呟いた。


「これで、終わります」


 兼遠は長く息を吐いた。


「真薫くん、よく頑張った」

「いえ」


 真薫は、首を振った。


「私一人の力ではありません。兼遠殿も、定明殿も、顕実殿も――。多くの人が、支えてくれました」


 兼遠は、微笑んだ。


「そうだな」


 蔵人頭は裏帳簿を手に、清涼殿に向かった。



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