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「勇者は不要」と俺たちを捨てた日本、魔族に支配される~追放された最強のおっさんは辺境の村で暮らします~

作者:あずーる
最新エピソード掲載日:2026/09/20
 魔族から日本を守り抜いた十二人の勇者。
 だが、平和が訪れた瞬間に待っていたのは、賞賛ではなく裏切りだった。
「勇者など、最初から危険な戦争犯罪者だったのだ」
 メディアと政府に手のひらを返され、濡れ衣を着せられた俺たちは永久収監施設へと叩き落とされる。
 食事も、睡眠も、老いすらも必要としない身体。
 かつて日本を守るために振るった力は、今ではただ孤独な牢獄に耐え続けるためだけに残されていた。
 同じ牢獄には、首を落とされようと死ねない不滅の勇者がいた。
 彼女が何度も殺され、そのたびに精神を削られていく悲鳴を、俺はただ壁越しに聞くことしかできなかった。
 ――だが、その平和そのものが、魔族の仕掛けた罠だった。
 勇者を排除し、無防備となった日本へ迫る魔族の再侵攻。
 混乱の中、俺たちを縛っていた力が弾け飛び、自由を取り戻す。
 一人で逃げることだってできた。
 けれど、ボロボロになったあの少女を置いていくことなんて、俺にはできなかった。
 崩壊していく東京を背に、俺たちがたどり着いたのは、小さな農村。
 そこで差し出されたのは、何の変哲もない、温かい一杯の飯だった。
「冷めないうちに食いな」
 誰かと食卓を囲み、人間として扱われる。
 ただそれだけのことが、どうしようもなく愛おしく、涙が溢れた。
 英雄でも、怪物でもない。ただの「一人の人間」として、この場所で生きていきたい。
 そう願った矢先、村に魔族の威圧的な支配が迫る。要求されたのは、収穫の七割という凄惨な搾取。
「俺は、勇者だ」
 怪物と恐れられる覚悟で正体を明かした俺を、村人たちは「仲間」として抱きしめてくれた。
 だから、俺は決めた。今度こそ、俺を人間にしてくれたこの大切な居場所を守ると。
 襲い来る魔族の軍勢を前に、俺は構える。
 俺の能力は、自分から人を傷つけることはできない。ただ――向けられた悪意を、そのまま返すだけ。
「――そちらが攻撃してきたので、返します」
 捨てられた元最強くたびれおっさんの、圧倒的な反撃が始まる。
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