冷酷な皇太子は公爵令嬢と恋に堕ちる
最新エピソード掲載日:2025/03/05
18歳になったルクリアに、父は告げる。
「国王と皇太子殿下を殺害してこい」
言うまでもなく、人を殺害する行為は重罪だ。
それが王国の人間ともなると、未遂であっても
処刑は免れられないだろう。
先日、我が公爵家による公金の横領が発覚し、
爵位剥奪と王国追放を言い渡された。
逆上した父による王家殺害命令。
正気を失った父の姿を見て『公爵家としての立場も威厳ももうここには何もないのだ』と、全てを悟ったこの瞬間『人生などどうなっても構わないか』と、公爵家を追い出されたその足で王宮へと向かう。
そして、王宮を守護している剣士へこう告げる。
「私は今から国王陛下と皇太子殿下を殺害します」
もちろん通してもらえるはずもなく、即座に拘束される。もう、抵抗する気力すら残ってはいない。
拘束されたその身のまま、国王と皇太子殿下の前に頭を差し出す。
いま、目の前で私に鋒を突きつけている彼を、本当はこの後の人生で支えているはずだったのにーーーーー。なんて自らで潰したその未来を、誇りを、届くはずはないと分かっていながら『少しでも彼に伝わればいい』。そう願いながら、ただひたすら抗うことなく、貫かれるその瞬間を待っていた。
「ーーールクリア、お前を愛している」
思いもよらないその言葉に、思わず瞳を開けたその瞬間、私は殿下の手によって身体を貫かれていた。