第７章　アイドル・ダンジョン　奮闘中

脳に直接知識をインストールされたあかりんは賢くなった。
賢くなって東大脳になった。ごくごく平凡な一般人だったあかりんが、どんな難しい話でも知識をインストールさえしてしまえば理解できるようになったのだ。
　量子力学のような小難しい話でさえ理解できるようになっていた。
　パラレルワールドについて話す宇佐義とお茶の間博士の話がよく分かる。
　相対性理論。エベレットの多世界解釈。
　賢くなったあかりんは一つの結論にたどり着く。
　宇佐義は競馬で大もうけしている。
　未来から過去に戻り、未来の競馬新聞を見て、当たり馬券のみを買い続けている。
さらにあかりんはタイムリープが繰り返されていることこそが、この世界がパラレルワールドである証拠だということにも気がついた。
そして宇佐義とあかりんがお互いの名前を呼べないこともゲームの世界のバグだろうと考える。
だとしたらゲームをアップロードする時にバグが直るはず。
この世界のアップロードはいかにしておこなわれるのか？
それはあかりんが賢くなったお茶の間博士によるインストール。
あのインストールこそ、ゲーム世界のアップロードだったに違いない。
そしてあかりんの所属するアイドルグループ虹コングが武道館でライブをすることが決まる。
ゲームの運営さんがあかりんをＮＰＣから主役級に格上げしたと考えた。
お茶の間博士はあかりんの握手券を買い占め、あかりんはずっとお茶の間博士のプロポーズを受け続ける羽目に。そしてその無尽蔵の資金を宇佐義が競馬で手に入れてることに気がついた。
そして握手会の時にお茶の間博士が事実を暴露する。
　このゲームの主役が自分であると言うことを。
　お茶の間博士は元々美少女ゲームが好きなハゲのオジさん。
　お茶の間博士が事故に遭い、ハゲのおじさんのままゲームの世界に転生する。
　伝説のクソゲー「ハゲのオジさんの成り上がり」。
　ハゲのオジさんがアイドルの握手会に通い詰め、いろんなアイドルグループの美少女と付き合うというゲーム。
　この世界は「ハゲのオジさんの成り上がり」だと言うのだ。
　しかもハゲのオジさんのおかげであかりんは虹コングのセンターになり、武道館のステージ場で感謝の言葉を述べるのだという。
さらにアイドルを辞めてハゲのオジさんと結婚をするというのだ。
納得できないあかりんはタイムリープするしかないと考える。