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結婚式で私の名前を間違えた新郎には、もう一度誓ってもらいませんでした(長編版)

作者:白川 透
最新エピソード掲載日:2026/11/02
「マリエルを妻とし、生涯を共にすることを誓います」

王太子との結婚式。王族も各国の使節も見守る祭壇で、新郎が呼んだのは、私ではなく愛人の名前だった。

予行の原稿を書いたのは私だ。読み違えないよう、自分の名前だけ大きな字にしておいたのに。

「すまない。もう一度」

笑って済ませようとする殿下に、私は神官長への質問を一つ。

「神の前で誓った言葉は、取り消せるのでしょうか?」

消せない記録。言い繕う新郎。そして、私の返事を待たずに決められた誓い。

家に戻る部屋はない。結婚のために辞めた仕事にも、戻れる保証はない。
それでも、私が何を誓うかは、私が決める。

元写字官の花嫁が、自分の名前と人生を取り戻す、静かで痛快な婚礼の物語。
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