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サポート科の元天才子役、芸能女子に懐かれる。

作者:たなたなか
最新エピソード掲載日:2026/10/31
「——久瀬(くぜ)湊(みなと)くん、君の力が必要なんだ」
私立星光芸能学園の理事長室。重厚な革張りソファに座る老紳士——かつて子役時代の俺を育て上げてくれた恩師は、静かにそう切り出した。
かつて『半世紀に一人の逸材』と呼ばれ、テレビで見ない日はなかった天才子役・久瀬湊。
だが、それはもう過去の話だ。ある出来事を境にカメラの前から姿を消した俺は、今やただの「元・天才」に過ぎない。
「断ります。俺はもう、表舞台に立つつもりはありません」
「知っているよ。だからこそ、君を『スターサポート科』に招きたいんだ」
理事長は一枚の資料をデスクに滑らせた。そこには学園が誇るスター候補生たちの顔写真が並んでいる。
「彼女たちは才能に溢れている。だが同時に、重大な『欠陥』や『課題』を抱えているんだ。完璧すぎて人間らしい演技ができないトップアイドル、他人の演技を一切認めない若手女優……。彼女たちを引き上げ、その魅力を100%引き出せるのは、かつて現場の空気を支配していた君しかいない」
「……俺は、教える側なんて器じゃ——」
「演技をしろとは言わない。裏方として、彼女たちのパートナーとなり、支えてやってほしい。君の持つ『本物を見る眼』と『プロデュース能力』を試してみないか?」
窓の外を見やる。グラウンドやスタジオでは、未来のスターたちが汗を流していた。
あんな風に輝いていた時代が、俺にもあった。だけど、もうカメラの前に戻る度胸も執着もない。
——誰かを陰から支える側としてなら、もう一度、芸能界という狂気の世界に関わってもいいのかもしれない。
「……分かりました。ただし、俺が『元天才子役』だということは伏せさせてください」
「ああ、約束しよう。今日から君は、彼女たちを光らせる『影』だ」
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