幼馴染は突然に!!
昼休み。
薫と一緒に購買で買ったパンを持ち、校舎裏のベンチで昼食を取ろうとしていた時のことだ。
「見〜つけたっ! こんなところに隠れてたのね、湊!」
パタパタという急ぎ足の靴音とともに現れたのは、俳優科のゴールドエンブレムを胸に光らせた少女——天花寺 凛空だった。
「天花寺……?」
「『凛空』でいいって言ってるでしょ! 昔みたいに!」
ぷくっと頬を膨らませて俺の隣にすり寄ってくるりあ。
彼女は俺の幼馴染だ。
10年前、子役時代に映画で一度だけ共演したことがあり、当時演技に悩んでいた彼女に俺がちょっとアドバイスしたのがきっかけで、彼女は本格的に女優を目指すようになった。
「私、10年間ずーーーーっと湊に会いたかったんだからね!? なんで急にサポート科なんかに来たの? また私と一緒に、演技……しないの?」
上目遣いで、縋るように俺の袖をギュッと掴んでくるりあ。
その瞳には、10年間温め続けられた、あまりにも重くて純粋な想いが溢れていた。
すると、隣でジュースを飲んでいた薫が、目を丸くして身を乗り出してきた。
「ちょっと待って久瀬ちゃん……!? この子って、あの『若手随一の天才女優』って騒がれてる天花寺凛空ちゃんよね!? なんであんたにそんな激重な愛をぶつけてるの!?」
「え、誰この人……!? 湊、この可愛い子とどういう関係!?」
凛空も警戒露わに薫を睨みつける。まるで猫の威嚇だ。
「アタシ? アタシは薫ちゃん! サポート科の生徒で、久瀬ちゃんの『女子会お友達枠』よ〜ん!」
「……え? 女子会……?」
キョトンとしている。(まあ無理もないか。)初めて薫を見た時のことを思い出しながら心の中で囁く。
「そうそう! 恋のライバルには100%ならないから安心してちょうだい!……それにしてもりあちゃん、あんた恋心ダダ漏れで重いわよ〜? 久瀬ちゃん引いてるじゃない笑」
「ひ、引いてないもん! 湊は照れてるだけだもん!」
「あー……頭痛くなってきた」
俺が頭を抱えると、薫は「キャッキャッ」と楽しそうに笑い、凛空はプンプンと頬を膨らませていた。
冷徹な『氷のアイドル』氷海氷華に、重すぎる愛をぶつけてくる幼馴染の天花寺凛空、そして頼もしすぎるオカマの薫ちゃん。
俺の「静かで目立たない高校生活」は、どこへ向かっているのだろうか——。
僕はおかまキャラが好きなのでいつか自分の作品に登場させたいとずっと考えていました。そのためこのような形で登場させることができてとても嬉しく思います。薫ちゃんサイコー




