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好きと言えなかった初恋の春樹くんが、大学で私を見つけてくれました

作者:ちょこまろ
最終エピソード掲載日:2026/08/18
中学時代、美雨には好きな人がいた。
放課後の校庭を走っていた、陸上部の春樹くん。

毎日のように教室の窓から彼を見つめていたのに、結局「好き」の一言を伝えられないまま卒業した。

卒業式の日に書いた手紙も、渡せなかった。

それから五年。

大学二年になった美雨は、キャンパスのグラウンドで偶然、春樹を見つける。

もう自分のことなど覚えていない。
そう思って立ち去ろうとした美雨の背中に、懐かしい声が届いた。

「……美雨?」

春樹は、美雨のことを覚えていた。

それどころか――

「中学の時も、こうやって見てたよね」

美雨がずっと彼を見ていたことまで、知っていた。

しかし再会した春樹は、高校時代に痛めた右膝への恐怖から、以前のように走れなくなっていた。

一方、美雨にも誰にも言えない夢がある。
小説を書くこと。

「俺が、もう一回ちゃんと走る。だから美雨も、いつか俺に読ませてよ」

走ることが怖い春樹。
自分の物語を誰かに読まれることが怖い美雨。

五年前に言えなかった「好き」と、渡せなかった二人の言葉。

これは、一度も始められなかった初恋を、大学でもう一度始める物語。
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