博物館は覚えていない ―― 名前のないカセットテープ
最終エピソード掲載日:2026/08/13
大学を休学し、故郷の郷土博物館で働き始めた瀬尾直人は、収蔵庫で資料番号のない古い木箱を見つける。
中にあったのは、三十一年前のカセットテープ。
そこには、当時十七歳だった少女・水原佳奈の声が残されていた。
「もしこれを博物館で聞いている人がいるなら、たぶん私は、もうここにはいません」
佳奈はその翌日、町から姿を消していた。
古い新聞、写真、台帳、そして町の人々の記憶。
直人が調べるうちに見えてきたのは、少女の失踪そのものではなく、彼女が少しずつ町の記録から消えていった理由だった。
中にあったのは、三十一年前のカセットテープ。
そこには、当時十七歳だった少女・水原佳奈の声が残されていた。
「もしこれを博物館で聞いている人がいるなら、たぶん私は、もうここにはいません」
佳奈はその翌日、町から姿を消していた。
古い新聞、写真、台帳、そして町の人々の記憶。
直人が調べるうちに見えてきたのは、少女の失踪そのものではなく、彼女が少しずつ町の記録から消えていった理由だった。