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亡き妻しか愛せないと言われたので、私も好きに生きますね

作者:雨ノ
最新エピソード掲載日:2026/08/05
「私は、亡くなった妻以外を愛する気はない」

婚約者だった第一王子は、想い人の侍女と駆け落ちした。

残された侯爵令嬢リリーに新たな縁談として与えられたのは、亡き妻を今なお愛し続ける英雄・辺境伯ヴィンセント。

「君を愛することはない」

そう言い切る夫に、リリーは静かに微笑んで頷いた。

彼女にもまた、胸の奥にしまい続ける”忘れられない人”がいたから。

互いに愛する人を忘れられないまま始まった、冷え切った政略結婚。

しかし、使用人や領民から慕われるリリーの優しさに触れるうち、ヴィンセントの凍てついた心は少しずつ変わり始める。

――気付けば、彼女の笑顔を守りたいと思うほどに。

だが、その矢先。

ヴィンセントは、リリーが一人の男と親しげに語り合う姿を目撃してしまう。

「あの男は誰だ」

「私の初恋の人です。……今も、その人だけを想っています」

激しく動揺し、彼女を責めるヴィンセント。

そんな夫を見つめ、リリーは不思議そうに首を傾げた。

「旦那様だって、奥様以外は愛する気はないと仰っていたじゃないですか」

亡き妻だけを愛すると誓った男と、叶わない初恋を胸にしまい続ける女。

叶わないであろう恋に身を焦がす、すれ違い夫婦の物語。
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