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記憶市場(メモリー・マーケット)~この世界から消された虐殺の記憶を買ってしまった~

作者:鷹司 怜
最終エピソード掲載日:2026/05/28
調査の中で蓮は奇妙な事実を知る。

社会の片隅にいる人々――

老人
浮浪者
精神病院の患者
孤児

彼らの脳内には同じ虐殺の断片が残っていた。

しかし本人たちは何も覚えていない。

誰かが記憶を削除している。

しかも削除技術は国家機関レベル。

さらに蓮は街の古い地下施設を発見する。

人類は記憶をデータ化し売買できるようになった。

嫌な思い出を売れば苦しみから解放される。

幸福な記憶を買えば、経験していない人生すら手に入る。

社会は豊かになり、人々は過去を自由に編集するようになった。

だが、その代償として誰も気づかないうちに「真実」も商品になっていた。

そこには存在しないはずの大量の市民記録が保管されていた。

数万人分。

全員が公的記録から抹消されている。

「死者」ではない。

最初から存在しなかったことにされている。
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