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神様のいない島で、最後の歌を

作者:稲荷ネム
最新エピソード掲載日:2026/10/31
島には、百年に一度、神を送り出す歌がある。
かつては島の女たちが輪になって歌ったというが、今では誰もその旋律を知らない。
島を離れて暮らしていた主人公は、祖母の遺品を整理するため、久しぶりに故郷へ戻る。そこで見つけたのは、古い歌を記した帳面。ところが、その歌詞は奇妙だった。神の恵みを讃えるはずの歌には、繰り返しこんな言葉が現れる。
「どうか、もう帰ってこないでおくれ」
なぜ人々は、島を守る神に帰ってこないよう願ったのか。失われた歌の続きを探し始めた主人公は、島の歴史から消された出来事と、神を守るために犠牲になった人々の存在を知る。
そして気づく。
島の神は、とうの昔にいなくなっていた。それでも人々は、誰もいない場所に向かって祈り続けていたのだ。
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