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おばあちゃんからのバトン

最終エピソード掲載日:2026/07/21
作品梗概
 大好きだった祖母を亡くした大学二回生の主人公莉乃は、失意に暮れていた。両親が共働きだった莉乃にとって、祖母は幼い頃からの心の支えでもあった。
 そんな莉乃には、大学生になってから知り合った友人の志穂がいた。外見だけでなく性格もよく似た志穂とはすぐに打ち解けて、周囲からは実の姉妹のように思われる場面もあった。
 そんな莉乃のスマホの決済アプリに、買い物をする度に奇妙なクーポンが届くようになった。駅前の文具店や洋菓子店、雑貨店などのそれは、過去にその店で購入履歴のある人限定に配信されたものだった。それらの店で、買い物をしたことのなかった莉乃は首を傾げた。
 ある日、莉乃は母に頼まれて、亡くなった祖母が住んでいた家の整理に向かった。そこで見つけた数々の品、それらを見ているうちに、自分のスマホにクーポンが送られてきた理由に思いを馳せた。そう、あのクーポンは、祖母から莉乃に託されたバトンでもあった。
 さらに莉乃は、祖母が使っていた箪笥の抽斗の中から、不思議なものを見つける。スターチスの花の形を模したキーホルダー、実はそれと同じものを志穂が鞄につけていて、母親の知人から誕生日プレゼントとして貰ったと話していたことを思い出す。
実は、そのキーホルダー、オーダーメイドで作られたものだった。包装紙に押されたスタンプを見ていて、気づいたのだった。そこで、一つの疑問が湧く。自分の祖母と、友人の志穂、二人がどうして同じキーホルダーを持っているのかということ。
もしやと思った莉乃は、祖母の家から持ち帰ってきた段ボール箱の中から、祖母に宛てられた一通の手紙を読んだ。そこには、志穂の母親が、実の母に宛てて書いた文章が綴られていた。
莉乃は、そのことを志穂に伝えようかと悩んだが、やめた。お互いに育ってきた家庭や家族あって、それらを壊すべきではないと思ったから。ただ、志穂とのつながりを確認する意味で、祖母の家で見つけたキーホルダーを鞄につけることにした。そう、志穂とお揃いのキーホルダーを。
過去に何があったのかはわからない。だけど、きっと祖母は、いつか私と志穂の心が通じ合うようにと願いを込めて、キーホルダーをハンドメイドで作ってもらった。スターチスの花言葉を知ってそう確信した莉乃は、祖母亡き日々を、友人の志穂と一緒に前向きに生きていこうと決意した。
(33176字 原稿用紙換算97枚)
プロローグ
2026/07/17 18:00
第一章 莉乃
2026/07/18 18:00
第二章 志穂
2026/07/19 14:00
エピローグ
2026/07/21 18:00
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