私の薬が夫の功績になっていたと知った日、白い結婚の終わりを選びました
最終エピソード掲載日:2026/03/05
五年間、私は薬草室から出なかった。 三つの領地に届ける疫病予防薬を調合し、 季節ごとに配合を変え、毎月四十二瓶を仕上げる。
それが夫の功績として称えられていると知ったのは、 久しぶりに出席した夜会の片隅だった。
処方箋には、すべて夫の名前が記されていた。 私の筆跡で、私の配合で作った薬なのに。 社交界では私は何もしない妻と呼ばれていた。
寝室は入籍の日から一度も同じになったことがない。 五年間の結婚に、夫婦としての実態は何もなかった。 帳簿の最後のページに、私は六文字だけ書き残した。
薬師ギルドの扉を開けた日、 十年前の資格試験で私の答案を読んだ人が待っていた。 あの人は、私の資格を失効させずに残していたという。
自分の名前で薬を届けるとはどういうことか。 誰かに名前を呼ばれるとは、どういうことか。
帳簿に書いた六文字の意味を、 夫が知るのはもう少し先のことになる。
それが夫の功績として称えられていると知ったのは、 久しぶりに出席した夜会の片隅だった。
処方箋には、すべて夫の名前が記されていた。 私の筆跡で、私の配合で作った薬なのに。 社交界では私は何もしない妻と呼ばれていた。
寝室は入籍の日から一度も同じになったことがない。 五年間の結婚に、夫婦としての実態は何もなかった。 帳簿の最後のページに、私は六文字だけ書き残した。
薬師ギルドの扉を開けた日、 十年前の資格試験で私の答案を読んだ人が待っていた。 あの人は、私の資格を失効させずに残していたという。
自分の名前で薬を届けるとはどういうことか。 誰かに名前を呼ばれるとは、どういうことか。
帳簿に書いた六文字の意味を、 夫が知るのはもう少し先のことになる。
第1章
第1話 それは、私の薬だった
2026/03/02 12:02
第2話 引き継ぎ事項:なし
2026/03/02 12:02
第3話 ございません
2026/03/02 12:02
(改)
第4話 名前を呼ばれるということ
2026/03/02 12:02
第5話 一人でやる必要はもうない
2026/03/02 12:02
第6話 対応いたしかねます
2026/03/02 12:02
第7話 これが、私の名前
2026/03/02 12:02
第8話 十年前から
2026/03/02 12:03
第9話 以上です
2026/03/02 12:03
第10話 ただの、薬師です
2026/03/02 12:03
第2章
第1話 私の名前の看板
2026/03/05 12:05
第2話 この子の薬は、私が作る
2026/03/05 12:05
第3話 噂と、金具と、崩壊と
2026/03/05 12:05
第4話 薬草園の午後
2026/03/05 12:05
第5話 棄却
2026/03/05 12:05
第6話 一輪の花
2026/03/05 12:05
(改)
第7話 逃げないでください
2026/03/05 12:05
第8話 あの薬師を信じろ
2026/03/05 12:05
第9話 以上です──もう一度
2026/03/05 12:05
第10話 ただの、薬師です──これからも
2026/03/05 12:06