武器と嗜好品

人ならざるクリスマスの王様が治める祝祭の国、リベルフィリア。
その国に刈り取られたユジィは、ここではない世界、書の国出身の石炭だ。
強い願いや違法な魔術で、望み落とされる来訪者だが、
手違いで落とされた屑来訪者は石炭と呼ばれ、魔術の道具として炉にくべられてしまう。

ユジィが探していたのは、かつて自分を溺愛してくれた優しいクリスマスの王様だった。
けれどもよやく見付けたアレックスは、ユジィを知らないと言う。
まさか乗り換え先を間違えた……？
途方に暮れるユジィが偶然手に入れてしまったのは、リベルフィリアの第二席スヴェイン。
優しく、忠実で時々可愛らしい。そして、多分かなり腹黒い。そんな守護者だった。

これは、美しくも残忍で気紛れな人外者の国で、
ユジィが、一度壊れてしまった物語と、新しい物語に振り回される物語。