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客が二万人、競合店はゼロ。異世界の戦場にキッチンカーごと転移した俺、剣聖も魔王も最後尾です

作者:他力本願寺
最新エピソード掲載日:2026/08/02
右に人間軍一万人。左に魔王軍一万人。 その中央に、俺のキッチンカーが一台。

「客が二万人。競合店はゼロだ」

現代で十三のキッチンカーブランドをヒットさせた榊原拓海、三十六歳。開業初日、車ごと異世界の戦場へ飛ばされた。両軍は補給を断たれ、腹を空かせて動けない。ならば、やることは一つ。飯を売る。

残り百二十食。冷蔵庫はあと十八時間。燃料の補充は不可能。それでも拓海は肉汁のあふれる包み焼きを焼き、人間兵と魔族兵を同じ列に並ばせる。

規則は三つ。武器を収めて並ぶこと。全員に行き渡るまで一人一食。種族や身分で値段は変えないこと。

「食いたいなら、武器から手を離して後ろに並べ」

残りを買い占めようとした王国最強の剣聖にも、正体を隠して現れた魔王にも、拓海は同じことを言う。軍の徴発にも、権力の脅しにも、屈しない。

やがて、戦えないと追放された冷却魔導師、鋭すぎる鼻を持つ獣人、実用一辺倒のドワーフ整備士が仲間になり、現代の車は魔導キッチンカーへ進化する。古竜は討伐相手ではなく輸送契約の相手に。魔王領の飢えた民までが客になる。

だが、食料を独占し、飢えを管理して戦争を長引かせる金環商会が、移動する店を法と権力で潰しにかかる。店を壊されても、拓海には剣も魔法もない。

あるのは、売れる飯と、行き場のなかった仲間たちの専門能力だけだ。

剣も魔法も使えない商売人が、一台のキッチンカーを世界の食糧網へ育てていく。 異世界移動販売 × 専門職無双 × グルメファンタジー、開店。

※料理による洗脳・万能バフ・無限通販はありません。飯で戦争は終わりません。 ※全40話・約10万字で第一部完結。第一部単体で綺麗に完結します。
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