蜻蛉の三題噺

「人魚姫は嫌いだよ」

「貴方の記憶、復旧いたします」 俺はこの仕事に迷いなんてなかった。記憶を取り戻すことで、誰もが幸せになれると、そう思っていた。あの日、君に会うまでは。

生まれてくるキミへ、

あの時、私は。 あの時、僕は。 確かに君に惹かれていた。

目の前で繰り広げられている光景がいまだに現実とは思えずにいる

真っ赤なエプロンに真っ赤なバンダナ、真っ赤なハタキ

「つれてきてくれてありがとう、アスル」

靴の中に画鋲が入っていた。

コピー機がガタガタと音を立てている。

そんな所が、嫌いなんだ。

最初にそんなことを言い出したのは誰だったろう

身長とほとんど変わらないコンパスを、小人はうまく使いこなしていた。

「大切なものなんか、全部なくしちゃえばいいのに」

魔法の解けたシンデレラ。多分それ。

初めてあの子に会ったのは、友達と喧嘩した帰り道

今は体力の金庫にエネルギーを貯めてるの

森の奥には触れちゃいけない眠り姫様がいる

まだまだ夢底。 目覚めは遠い。

とっても微妙な顔をした”ふやけたお麩人形”とかいうシロモノ。

私の家庭教師は、腹の立つことに私より年下なのにすごく優秀だ。