- あらすじ
- 昼食を食べようとフォークを手にした瞬間、義母の佐伯千代子が勢いよく駆け寄ってきて、私の手を叩いた。フォークが皿の縁にぶつかり、乾いた音を立てる。
「それ食べちゃ駄目! 妊婦がうさぎなんか食べたら、口唇裂の子が生まれるのよ!」
床に落ちたうさぎ肉の煮込みを見つめ、怒りを飲み込みながら椅子に座ろうとした。ところが今度は、義母が椅子を乱暴に後ろへ引いた。
「今日はこの方角が悪いの。御厨先生が、妊婦はここに座っちゃいけないって言ってたでしょう。今日は立って食べなさい」
妊娠を知った日から、義母は私たちの家へ転がり込んできた。毎朝、古びた暦と九星の方位盤を広げては、ソファは駄目、ベランダへ出るな、今日は寝室を使うなと、私の生活を勝手に決めていく。
そして夫の佐伯直人は、そのたびに同じことしか言わなかった。
「母さんも赤ちゃんが心配なんだよ。少しくらい我慢してやって」
あの日、ようやく分かった。
私を息苦しくさせていたのは、義母の馬鹿げた迷信だけではない。
この家には最初から、私の味方が一人もいなかったのだ。 - Nコード
- N9692MR
- 作者名
- 熾星
- キーワード
- シリアス 女主人公 現代 嫁姑問題 モラハラ夫 離婚 妊娠 迷信 毒義母 ざまぁ
- ジャンル
- ヒューマンドラマ〔文芸〕
- 掲載日
- 2026年 09月05日 16時00分
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姑は方位を信じて医者を信じない。私は妊娠中、立ったままご飯を食べるしかなかった
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