ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ナメクジ女

短編
あらすじ
 とある女子大生が、ナメクジ男のナメクジに貼り付かれるお話。
 彼女が電車を降りる時、腕に一匹貼り付いているのに気付き、払おうとするが、不可視のそれは触ることすら出来なかった。
 どこから来たのか、いつ付いたのか、彼女には皆目見当がつかなかった。
 友達にも腕を見せたが、やはり普通の人には見えないようだった。
 しかし、二週間経っても、特に悪さをする様子は無かった。

 大学に顔を出した時、一回生とはいえ単位を落としていることを告げられ、彼女は少なからず心に影を落とした。
 猛暑の中、講義から帰る途中、電車の中で香水を吹いた彼女は、ナメクジが二匹に増えていることに気付く。
 彼女はデジャビュを感じた。以前にも、電車内で香水を吹いたのだ。
 嫌悪感を示す車内の様子から、彼女はスマホで『電車』『香水』と検索すると、候補を見ただけで自身が何をしてしまったのかを理解した。
 それ以降、彼女が香水を使うことはなくなった。

 別の日、午後の講義を受けに行く途中、自分と同じ過ちをしようとしているカップルがいたので、やんわりと窘めてみた。
「電車で香水を吹くと、臭いで気分が悪くなる人もいます」
 しかし、返ってきたのは「車両変えりゃいいじゃん」といった心無いもので、我関せず香水を吹いていた。
 その時、彼女の腕からナメクジが一匹、カップルの方へと移っていった。
 このことから、同じ迷惑行為をする者を諫め、聞き入れられなかった場合、伝播していくのだと分かった。

 一か月後の講義帰りの電車で、女子高生が三人、自分の隣に座ってお喋りに花を咲かせていた。
 その中の一人が、おもむろにコロンを取り出して吹こうとしたので、彼女は再び窘めてみることにした。
 女子高生は、「すみません……」と、素直にコロンを鞄に戻す。
 理解が得られたことに彼女がほっと一息吐いた時、腕のナメクジが落ちて干からびた。
 彼女の言葉が相手に伝わり、ナメクジは行き場を失くして消滅したのだ。
(きっと、私を戒めるために、貼り付いてたんだね)
 彼女はそう思いながら腕を擦り、心のしこりも取れた気がした。

〝自ブログ(http://kigaru.doorblog.jp/)にて公開しておりますが、こちらは縦書きでも読めるので併せて掲載させて頂いております〟
Nコード
N8401MI
作者名
桧月彩花
キーワード
女主人公 現代 ナメクジ 因果応報 自業自得 蛞蝓身にとまる
ジャンル
空想科学〔SF〕
掲載日
2026年 06月18日 00時58分
最終更新日
2026年 06月18日 02時28分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
0件
総合評価
0pt
評価ポイント
0pt
感想受付
受け付ける
※ログイン必須
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
1,666文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N8401MI| 作品情報| 短編| 空想科学〔SF〕
 とある女子大生が、ナメクジ男のナメクジに貼り付かれるお話。  彼女が電車を降りる時、腕に一匹貼り付いているのに気付き、払おうとするが、不可視のそれは触ることすら出来なかった。  どこから来たのか、いつ付いたのか、彼女に//
N5250MI| 作品情報| 短編| 空想科学〔SF〕
 あるスーツ姿の男が、会社からの帰路に就きつつ、巷にいる迷惑者に不可視のナメクジを貼り付けていくお話。  ナメクジを貼り付けられた者は、それに気付くことなく、その後の人生に大なり小なり躓くことが多くなる。  彼が放つナメ//
N3980MI| 作品情報| 短編| 空想科学〔SF〕
〝自ブログ(http://kigaru.doorblog.jp/)にて公開しておりますが、こちらは縦書きでも読めるので併せて掲載させて頂いております〟  ある日、スマホに見慣れたQRコードが映り込み、それを見た人からど//
N6728DI| 作品情報| 短編| 現実世界〔恋愛〕
〝自ブログ(http://kigaru.doorblog.jp/)にて公開しておりますが、こちらは縦書きでも読めるので併せて掲載させて頂いております〟  コーヒーに誘われてカフェへやってきた少女。  そこで店員のお姉さ//
N3047BL| 作品情報| 短編| VRゲーム〔SF〕
ブログが横読みなので、縦読み出来るこちらもお借りします。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ