- あらすじ
- とある女子大生が、ナメクジ男のナメクジに貼り付かれるお話。
彼女が電車を降りる時、腕に一匹貼り付いているのに気付き、払おうとするが、不可視のそれは触ることすら出来なかった。
どこから来たのか、いつ付いたのか、彼女には皆目見当がつかなかった。
友達にも腕を見せたが、やはり普通の人には見えないようだった。
しかし、二週間経っても、特に悪さをする様子は無かった。
大学に顔を出した時、一回生とはいえ単位を落としていることを告げられ、彼女は少なからず心に影を落とした。
猛暑の中、講義から帰る途中、電車の中で香水を吹いた彼女は、ナメクジが二匹に増えていることに気付く。
彼女はデジャビュを感じた。以前にも、電車内で香水を吹いたのだ。
嫌悪感を示す車内の様子から、彼女はスマホで『電車』『香水』と検索すると、候補を見ただけで自身が何をしてしまったのかを理解した。
それ以降、彼女が香水を使うことはなくなった。
別の日、午後の講義を受けに行く途中、自分と同じ過ちをしようとしているカップルがいたので、やんわりと窘めてみた。
「電車で香水を吹くと、臭いで気分が悪くなる人もいます」
しかし、返ってきたのは「車両変えりゃいいじゃん」といった心無いもので、我関せず香水を吹いていた。
その時、彼女の腕からナメクジが一匹、カップルの方へと移っていった。
このことから、同じ迷惑行為をする者を諫め、聞き入れられなかった場合、伝播していくのだと分かった。
一か月後の講義帰りの電車で、女子高生が三人、自分の隣に座ってお喋りに花を咲かせていた。
その中の一人が、おもむろにコロンを取り出して吹こうとしたので、彼女は再び窘めてみることにした。
女子高生は、「すみません……」と、素直にコロンを鞄に戻す。
理解が得られたことに彼女がほっと一息吐いた時、腕のナメクジが落ちて干からびた。
彼女の言葉が相手に伝わり、ナメクジは行き場を失くして消滅したのだ。
(きっと、私を戒めるために、貼り付いてたんだね)
彼女はそう思いながら腕を擦り、心のしこりも取れた気がした。
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- N8401MI
- 作者名
- 桧月彩花
- キーワード
- 女主人公 現代 ナメクジ 因果応報 自業自得 蛞蝓身にとまる
- ジャンル
- 空想科学〔SF〕
- 掲載日
- 2026年 06月18日 00時58分
- 最終更新日
- 2026年 06月18日 02時28分
- 感想
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