- あらすじ
- 元ホテル夜勤スタッフの白瀬灯里(しらせ あかり)、二十代後半。
人を安心して眠らせる仕事が好きだった。客の「昨夜はよく眠れました」のひとことに、まだやれる気がしていた。けれど、人手不足の夜勤が続き、いつの間にか、自分だけが眠れなくなっていた。
夜勤明けの朝、駅のベンチで意識が途切れ、目を覚ますと異世界の森にいた。湿った土の匂い、聞いたことのない鳥の声、圏外の携帯電話。立ち上がるのもやっとの灯里を拾ったのは、薪を背負ったミラという若い宿主だった。
連れていかれたのは「こもれび亭」という小さな宿。人の流れは広い街道のほうへ移り、古道を通る旅人は減っている。ミラ自身も、どこか眠れていない。古い暖炉と、軋む床と、湿気た毛布。けれど、食堂の窓からは木漏れ日が落ちて、夕食のスープは、灯里の体に静かに染みた。
灯里は、まかないと、灯りと、寝具と、夜の静けさを整えながら、ミラと二人、宿の手触りを少しずつ取り戻していく。
廊下の途中には、今は触らなくていいと言われた、古い帳簿の部屋がある。
雨の日には、廊下のいちばん奥の客室が開く。
湯気が、誰の手も触れていないのに、ふと押し返される。
宿や人の「休めていない部分」が、灯里にはぼんやり見える。けれど、誰かのかわりに眠ってあげられるわけではない。
──世界を救う物語ではありません。
異世界の森にある小さな宿で、旅人が眠るまでの時間と、その日のまかないを描く物語です。
ちゃんと眠れる場所があると、人はまた、歩き出せる。 - Nコード
- N8147MT
- 作者名
- 山田鰻
- キーワード
- 異世界転移 ESN大賞11 ドリコム大賞5 ネトコン15 ARファンタジー大賞 ほのぼの 女主人公 西洋 職業もの 日常 グルメ なろうフェス2026 アイリスIF9大賞 宿屋 まかない 異世界スローライフ
- ジャンル
- ハイファンタジー〔ファンタジー〕
- 掲載日
- 2026年 09月22日 18時30分
- 最新掲載日
- 2026年 10月23日 18時30分
- 感想
- 0件
- レビュー
- 0件
- ブックマーク登録
- 2件
- 総合評価
- 4pt
- 評価ポイント
- 0pt
- 感想受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - レビュー受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 誤字報告受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 開示設定
- 開示中
- 文字数
- 53,196文字
設定
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こもれび亭へようこそ 〜異世界宿屋のまかない日誌〜
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから
同一作者の作品
N1722MB|
作品情報|
連載(全196エピソード)
|
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
王国軍には「雑用係」と陰で笑われる男がいた。
名前はレイン・アストラ。剣も魔法も使えない。彼がひたすら睨みつけていたのは、残りの兵糧、動ける馬、壊れた荷車、合わない帳簿——要するに、負け戦でどうやったら一人でも多く生きて//
N8147MT|
作品情報|
連載(全32エピソード)
|
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
元ホテル夜勤スタッフの白瀬灯里(しらせ あかり)、二十代後半。
人を安心して眠らせる仕事が好きだった。客の「昨夜はよく眠れました」のひとことに、まだやれる気がしていた。けれど、人手不足の夜勤が続き、いつの間にか、自分だ//
N5402ML|
作品情報|
短編|
推理〔文芸〕
県立西高・旧校舎の遺失物保管庫。傘四十七本を筆頭に、持ち主の現れない落し物が三百十二件眠っている。
くじ引きで係を押し付けられた新入生・早瀬凪は、駅裏の買取販売店の娘。物の擦れや剥がし跡から来歴を読む「値付けの目」の持//
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。