- あらすじ
- 「式は中止だ。僕は愛人と逃げる。君なら仕事に戻れるだろう」
王都の新しい大橋、その開通式を兼ねた婚礼の日。王室橋梁技師のマレイナ、三十四歳は、花婿の置き手紙を祭壇で受け取った。八年かけて架けた橋の上、参列者の見守る前である。
泣く代わりに、司祭へ訊く。祝福の鐘まで、あと半刻。習わしでは、渡り初めはその日に結ばれた夫婦が行う。式が流れれば、橋は三月先まで開かない。待てるはずがない。花婿は逃げても、橋は逃げない。
「承知しました。式は続けます。花婿だけ、ここで募り直します」
祭壇も司祭も参列者も、そのまま。募りに応じて、鐘つきが手を挙げ、老商人が手を挙げ、若い騎士が手を挙げ――最後に、八年間この橋を隣で支えてきた無口な副技師イサークが、生まれて初めて順番を待たずに、前へ出た。
「あなたは、わたしと、何を架けてくださいますか?」
ところが祝福を前に、式が本当に続いていると知った元花婿が、橋の袂から駆け戻ってくる。冗談だったのだよ、婚約はまだ有効だ、銘板には僕の名も載るはずだ――。
あいにく、置き手紙は放棄の宣言として記帳に綴じてある。そして王室の橋の銘板に刻まれるのは、架けた者の名前だけである。
捨てられた花嫁が、半刻で花婿を選び直し、橋を開くまでの一部始終。 - Nコード
- N7439MR
- 作者名
- アクア
- キーワード
- コミックルーム大賞 アイリスIF9大賞 ESN大賞11 女主人公 職業もの ハッピーエンド ざまぁ 結婚式
- ジャンル
- 異世界〔恋愛〕
- 掲載日
- 2026年 09月02日 13時41分
- 感想
- 0件
- レビュー
- 0件
- ブックマーク登録
- 2件
- 総合評価
- 94pt
- 評価ポイント
- 90pt
- 感想受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - レビュー受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 誤字報告受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 開示設定
- 開示中
- 文字数
- 6,166文字
設定
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「式は中止だ。僕は愛人と逃げる」置き手紙をいただいたので、参列者から次の花婿を募って結婚式を続けます――橋梁技師の同僚が立候補しました
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから
同一作者の作品
N0541MZ|
作品情報|
連載(全3エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
「お前といると縁起が悪い。婚約は破棄する」
夜会の広間で、王太子ローナン殿下はそう言った。隣には〈幸運の令嬢〉と評判のブリジッドが寄り添っている。
私、フィオネはよく転ぶ。よくカップを割る。馬車の車輪はよく外れる。だから//
N9895MX|
作品情報|
連載(全10エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
「返品された娘は、お前が引き取れ」
婚約破棄されて帰った夜、お父様は玄関の広間でお母様にそう言った。お母様は私の手を握ったまま、自分の結婚指輪を抜いて、家令の銀盆に置いた。
「ええ。娘は引き取ります。指輪もお返ししま//
N8063MX|
作品情報|
連載(全6エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
「お前を相手にする男など、紙の上にしかいない」
文通ばかりしていると笑われて、婚約を破棄された一月後。私は、元婚約者の上司で従兄にあたる〈冷酷公爵〉ゼーヴェリン様と、三か月だけの契約結婚をした。
初夜に差し出されたの//
N3601MX|
作品情報|
連載(全5エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
私、ローザムンデの二十六歳の誕生日。祝杯を干した瞬間、体が縮んだ。
親族の目の色が変わる。叔父は財務の鍵を、叔母は宝石箱を、従兄は公爵の椅子を見た。
この中に、呪いの依頼人がいる。
〈鉄の女公爵〉と呼ばれた私は、一//
N1751MT|
作品情報|
完結済(全30エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
「父上が決めた婚約に、俺の意思はない。俺は男爵令嬢と結婚する」
公爵家の嫡男ゼヴェリン様は、婚約者の私にそう言った。私はアンナリーゼ、伯爵令嬢で二十四歳。
「分かりました。閣下がお決めになった婚約ですので、閣下と改め//
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。