- あらすじ
- 王冠は落ちた。
黄金の床に転がり、
誰も拾わなかった。
喝采は消えた。
昨日まで名を呼んでいた者たちは、
今日には背を向ける。
空腹を知った。
冷たい雨を知った。
一枚の銅貨の重さを知った。
誰かが作ったパンの香りを知った。
誰かが運んだ荷の重さを知った。
誰かが頭を下げて働く理由を知った。
かつて見下した人々は、
虫けらなどではなかった。
泣き、
笑い、
怒り、
愛し、
懸命に生きる人間だった。
失ったものは多い。
王位も。
名誉も。
栄光も。
だが失ったからこそ、
初めて手に入れたものがある。
感謝される喜び。
約束を守る誇り。
数字の意味。
契約の重み。
そして、
自分の足で立つ強さ。
王冠を失った日、
王子は終わった。
けれど――
人間は始まった。
泥にまみれた手で帳簿をめくり、
夕暮れの商店で笑う。
その顔を見て、
誰も元王子とは呼ばない。
商人と呼ぶ。
仲間と呼ぶ。
友と呼ぶ。
それでいい。
いや、
それがいい。
王冠のない王は今日も生きる。
誰かの役に立つために。
昨日の自分を超えるために。
そして静かに知る。
本物の王国とは、
人の上に立つ場所ではない。
自分の人生に責任を持つ場所なのだと。
- Nコード
- N7405MG
- 作者名
- かおるこ
- キーワード
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- ジャンル
- ハイファンタジー〔ファンタジー〕
- 掲載日
- 2026年 05月31日 03時26分
- 最終掲載日
- 2026年 05月31日 08時34分
- 感想
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- 48pt
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- 35,988文字
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ざまぁされた勘違い王子の再構築
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