ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ざまぁされた勘違い王子の再構築

あらすじ
王冠は落ちた。

黄金の床に転がり、
誰も拾わなかった。

喝采は消えた。

昨日まで名を呼んでいた者たちは、
今日には背を向ける。

空腹を知った。

冷たい雨を知った。

一枚の銅貨の重さを知った。

誰かが作ったパンの香りを知った。

誰かが運んだ荷の重さを知った。

誰かが頭を下げて働く理由を知った。

かつて見下した人々は、
虫けらなどではなかった。

泣き、
笑い、
怒り、
愛し、
懸命に生きる人間だった。

失ったものは多い。

王位も。

名誉も。

栄光も。

だが失ったからこそ、
初めて手に入れたものがある。

感謝される喜び。

約束を守る誇り。

数字の意味。

契約の重み。

そして、
自分の足で立つ強さ。

王冠を失った日、
王子は終わった。

けれど――

人間は始まった。

泥にまみれた手で帳簿をめくり、
夕暮れの商店で笑う。

その顔を見て、
誰も元王子とは呼ばない。

商人と呼ぶ。

仲間と呼ぶ。

友と呼ぶ。

それでいい。

いや、
それがいい。

王冠のない王は今日も生きる。

誰かの役に立つために。

昨日の自分を超えるために。

そして静かに知る。

本物の王国とは、
人の上に立つ場所ではない。

自分の人生に責任を持つ場所なのだと。
Nコード
N7405MG
作者名
かおるこ
キーワード
キーワードが設定されていません
ジャンル
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
掲載日
2026年 05月31日 03時26分
最終掲載日
2026年 05月31日 08時34分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
5件
総合評価
48pt
評価ポイント
40pt
感想受付
受け付ける
※ログイン必須
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
35,988文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N2411MH| 作品情報| 連載(全39エピソード) | 異世界〔恋愛〕
# 追憶のローズマリーは二度と香らない 春の風に揺れていた 名もなき庭のローズマリー 誰も見向きもしなかったけれど その香りは静かに王国を支えていた 眩しい光は拍手を集める 豪華な衣装は人の目を奪う けれど//
N2096MH| 作品情報| 完結済(全10エピソード) | 異世界〔恋愛〕
離婚してやると あなたは言った まるで恩赦を与える王のように 胸を張り 顎を上げ 愛人の手を握りながら けれど私は 怒りもしなかった 泣きもしなかった ただ静かに 紅茶を置いただけ あなたは知らなかったのです//
N3360MF| 作品情報| 連載(全24エピソード) | ハイファンタジー〔ファンタジー〕
憐れみの神エピメニスの涙  天上の神々が黄金の蜜酒に酔い痴れる夜、 オリュンポスの隅で、ひっそりと涙を流す神がいた。 その名はエピメニス、人の「報われぬ祈り」を司る神。  彼は夜風に乗り、地上へと静かに舞い降りる。 //
N1468MG| 作品情報| 連載(全21エピソード) | ヒューマンドラマ〔文芸〕
思い込みは いつも静かに 目の裏へ棲みつく あの人は冷たい、と 一度決めれば 優しさは 視界の端で透明になる 好きだと思えば 欠点でさえ 「味わい深い」に変わる 人は 世界を見ているようで ほんとうは 自分の信じた//
N1240MH| 作品情報| 完結済(全33エピソード) | ハイファンタジー〔ファンタジー〕
王冠は金色に輝いていた。磨かれた大理石の廊下も、宝石を散りばめた玉座も、夜ごと開かれる華やかな舞踏会も。誰も知らなかった。それらを支えていたのが、一冊の帳簿と一人の王妃だったことを。 国王は言った。 「側妃を迎える。//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ