- あらすじ
- 青嶺大学の研究室の送別会で、今年、研究室から一人だけ選ばれる博士後期課程の推薦候補が発表された。
怜司が口にしたのは、私ではなく小野寺美咲の名前だった。
「今年、研究室から推薦選抜に出すのは小野寺にする」
すぐに周囲から声が上がった。
「やっぱり小野寺か。榊原先生、最近ずっと面倒見てましたもんね」
私は何も言わなかった。
送別会が終わりかけた頃、美咲が立ち上がった拍子に熱いスープを倒した。
四十日以上、何度も書き込みを重ねてきた修士論文の原稿は一瞬で濡れ、手書きの修正やメモが滲んでいく。
私が手を伸ばすより先に、怜司は美咲の手を取った。
「火傷してないか?」
美咲は目を潤ませて首を振った。
「大丈夫です……ごめんなさい。本当にわざとじゃなくて」
怜司は彼女の手を確認してから、ようやく私の論文に目を向けた。
「印刷し直せばいいだろ」
スープを吸った紙の束を数秒見つめ、私はバッグを手に取った。
「私、先に帰ります」
怜司が眉を寄せる。
「朝倉?」
足は止めなかった。
二年間続けてきた秘密の恋も、ここまででいい。
そう決めて、店を出た。 - Nコード
- N6085MS
- 作者名
- 熾星
- キーワード
- シリアス 女主人公 現代恋愛 裏切り 秘密の恋 ざまぁ
- ジャンル
- ヒューマンドラマ〔文芸〕
- 掲載日
- 2026年 09月09日 18時24分
- 感想
- 0件
- レビュー
- 0件
- ブックマーク登録
- 7件
- 総合評価
- 248pt
- 評価ポイント
- 234pt
- 感想受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - レビュー受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 誤字報告受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 開示設定
- 開示中
- 文字数
- 13,760文字
設定
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
同じ研究室の学生に論文へ熱いスープをかけられたのに、指導教員でもある彼氏は真っ先に彼女の手を拭いた
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから
同一作者の作品
N4678MK|
作品情報|
連載(全146エピソード)
|
ヒューマンドラマ〔文芸〕
【閲覧注意】これは、彼女たちの「悪行」の記録か、それとも「救済」の叫びか――。
親に売られた少女、夫の暴力(DV)に怯える妻、社会から透明人間のように扱われる女たち。
――「どうして私ばかりが、こんな目に遭わなきゃい//
N0768ML|
作品情報|
連載(全117エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
~スポットライトの裏側で、執着な大妖に愛を乞われる~
京都郊外の撮影所で起きたワイヤー事故。
売れない脇役俳優・佐伯蓮は、主演俳優を救うために飛び出し、俳優生命を揺るがす傷を顔に負ってしまう。
もう終わりだ。
そう思//
N7068MS|
作品情報|
短編|
ヒューマンドラマ〔文芸〕
青凪総合大学の新入生オリエンテーション合宿で、レクリエーションの罰ゲームが私に当たった。歌うよう言われて困っていると、恋人の神谷颯真がすぐ横から口を挟んだ。
「音羽、ほんと歌が苦手だから勘弁してやってよ。その代わり、売//
N7052MS|
作品情報|
短編|
ヒューマンドラマ〔文芸〕
月凪大学商学部のゼミ同期会で、俺が結婚すると話した途端、テーブルが一気に騒がしくなった。
「じゃあ、榊原の結婚相手が誰なのか当てようよ。本人が問題出して」
幹事が余興用に用意していたホワイトボードが配られる。
//
N6085MS|
作品情報|
短編|
ヒューマンドラマ〔文芸〕
青嶺大学の研究室の送別会で、今年、研究室から一人だけ選ばれる博士後期課程の推薦候補が発表された。
怜司が口にしたのは、私ではなく小野寺美咲の名前だった。
「今年、研究室から推薦選抜に出すのは小野寺にする」
す//
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。