ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

クモイトチギリ

あらすじ
 彼女に救われ、彼女と別れて、それから二年の月日が流れた。
 償いのために死を選ぶつもりが、償いのために人を救えと言われて、言われるがままに生をとって。
 どちらが楽だったのか考える間もなく駆けずり回って、時には石を投げられながらもそれでも足掻き続けた。
 そうして今、あの日自分にあんな大罪を背負わせた組織の基地に仲間達と共に踏み込んでいる。
 ここで全てを終わらせるのだ、もう二度とあんな悲劇は繰り返さない。
 これを止めたら全てが許されるだなんて思わない。それでも、止めなければならないのだ。
 そんな思いで足を踏み入れた基地の一室、仲間達が知るこの組織の幹部の青年の部屋だというそこには異様な空間が広がっていた。
 部屋の奥の端に、大きな檻が置いてある。
 そこに閉じ込められているのは魔物や獣の類ではない、人間だ。
 その人間は、あの日自分を助けてくれたひとだった。
 蜘蛛の糸を千切り続けるような人生をおくってきたと笑いながら話していた、自分のようなどうしようもない罪人に別に逃げてもいいと、これ以上不幸になってほしくないと言ってくれたひとだった。
 そのひとの全体像がやたらと白っぽく見えて、何故だろうとその理由に気づいた瞬間、ゾッとした。
 彼女は、何も身に纏っていなかった。
 裸の白い肌にはいくつもの痣と、乾いた血の色が。
 ここで彼女がどんな目にあっていたのか、その答えは簡単に思いつきそうだったけどこれ以上考えたくない。
 白い身体は動かない、開きっぱなしの目は虚ろで、こちらの存在に気付いた様子もない。
 隣で片目が潰れた女が息を詰まらせる、すぐ横を自分よりも少し年上の彼がすっ飛ぶように通り過ぎて、自分が知らない誰かの名前を叫んだ。
 檻の中の彼女は、動かない。
 病的に青白い肌をさらしたまま、動かない。
 生きているのか死んでいるのか、それを確認する前に視界が真っ黒に染まる。
 誰のものかわからない悲鳴がどこかから聞こえた、何故か喉が酷く痛んだ。
Nコード
N5299MA
作者名
朝霧
キーワード
R15 残酷な描写あり シリアス ダーク
ジャンル
その他〔その他〕
掲載日
2026年 04月08日 00時24分
最終掲載日
2026年 04月08日 00時24分
感想
0件
感想受付停止中
レビュー
0件
レビュー受付停止中
ブックマーク登録
0件
総合評価
18pt
評価ポイント
18pt
感想受付
受け付けない
レビュー受付
受け付けない
誤字報告受付
受け付けない
開示設定
開示中
文字数
17,404文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N5299MA| 作品情報| 完結済(全2エピソード) | その他〔その他〕
 彼女に救われ、彼女と別れて、それから二年の月日が流れた。  償いのために死を選ぶつもりが、償いのために人を救えと言われて、言われるがままに生をとって。  どちらが楽だったのか考える間もなく駆けずり回って、時には石を投げ//
N4066MA| 作品情報| 短編| その他〔その他〕
 ららら、世間一般的にそれは恋、恋という〜♪(数回繰り返し)……のでは!!? (ヤケクソ・ブチギレ)  女帝日記 XX年4月8日 どケチ夫またまたまたぶっ壊れる より抜粋
N8606LP| 作品情報| 完結済(全11エピソード) | その他〔その他〕
 王国内に存在するとある廃城で殺人事件が起こった。  声に呪いを受け四年前に失踪した元悪名高き歌姫は、久しぶりに再会した世界一の歌姫である幼馴染にこう言って、剣の鋒を突きつける。  ──私、人を殺したの。それでね……ある//
N3449LT| 作品情報| 短編| その他〔その他〕
 これは病気これは病気これは病気これは病気これは病気これは病気これは病気これは病気これは病気これは病気これは病気これは病気これは病気これは病気これは病気これは病気これは病気これは病気これは病気これは病気これは病気これは病//
N9010EL| 作品情報| 連載(全65エピソード) | 純文学〔文芸〕
 前語りも結末もない、とある物語の一片だけを切り取ってきた断片集。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ