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水底の冬桜

あらすじ
東京での日々に心をすり減らし、休職届を出した青年・蓮(れん)。
まるで「ガラス一枚隔てた向こう側」から世界を眺めるように、無気力な日々を送っていた。
亡き祖父の遺品整理のため、埼玉県のはずれにある山あいの集落・旧神泉村を訪れた蓮は、古い文机の奥から一枚の奇妙な和紙を見つける。それは光に透かすと浮かび上がる、ダムの底に沈んだはずの村の「透かし絵の地図」だった。さらに、その地図はある一点の座標を意図的に指し示していた。
折しも、季節外れの異常渇水により神流湖(下久保ダム)は完全に干上がり、水没したはずの旧神泉村が白日の下にその姿を現していた。幼馴染の紬(つむぎ)とともに、地図が示す湖底の神社跡地へ向かう蓮。しかし、たどり着いたその場所には、自分たち以外の誰かが「つい先ほど掘り返した真新しい痕跡」が残されていた。
祖父が地図の交点に隠したものは何なのか?
そして、自分たちより先に湖底を掘り返した「先客」は誰なのか?
古い写真館、未現像のフィルム、そしてダム建設前夜に村を二分したという激しい対立の歴史。調査を進めるうち、二人は村がひた隠しにしてきた過去のしがらみへと足を踏み入れていく。
台風の接近により、数日後には大雨が降り、湖底は再び永遠の水底へと沈んでしまう。
渇水という非日常の風景の中、泥にまみれて過去の謎を追ううちに、蓮の止まっていた時間は少しずつ熱を取り戻していく――。
Nコード
N4675LY
作者名
綴 紫乃
キーワード
男主人公 現代
ジャンル
推理〔文芸〕
掲載日
2026年 03月22日 20時00分
最終掲載日
2026年 03月26日 06時53分
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文字数
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