- あらすじ
- 三年間尽くした婚約者に「君は妹ほど可愛くないね」と言われた夜、シルヴィアは涙ではなく婚約解消届に手を伸ばした。
前の人生でも似たような男に時間を費やして後悔した記憶がある。 同じ過ちは二度と繰り返さない。
実家にも頼らず、自分の蓄えだけで隣国の小さな町に渡り、宿屋を一軒開いた。 仕入れも仕込みも帳簿も接客も全部一人。 体はきついが、この疲れは誰かの家のための消耗ではない。
客足がまばらな宿に、ある日二人連れの旅人が泊まった。 無口で無愛想な青年と、隙のない従者。 姓は名乗らない。身元欄は空白。
けれどその青年は、シルヴィアの料理を一口食べた瞬間だけ表情を変えた。 一泊のはずが連泊になり、連泊がいつの間にか長期滞在になった。
彼が何者なのかは知らない。 詮索もしない。 自分だって身元を隠している側の人間だから。
一方、シルヴィアがいなくなった元婚約者の家では、社交の歯車が一つずつ狂い始めていた。 招待状の敬称を間違え、贈答品が重複し、名のある家が距離を置いていく。 その崩壊を、シルヴィアはもう振り返らない。
閉店後の食堂で、名前だけを交わした夜があった。 指先が触れて、同時に手を引いた沈黙があった。 言葉にしないまま伝わる何かが、少しずつ積もっていった。
けれど旅人には、旅の終わりがある。
彼が発つ朝、銀の鈴が鳴る。 そのとき彼女は何を思い、彼は何を選ぶのか。 - Nコード
- N2560MB
- 作者名
- 月雅
- キーワード
- 異世界転生 女主人公 身分差 西洋風 恋愛 ざまぁ 婚約破棄 王子 宿屋 すれ違い
- ジャンル
- 異世界〔恋愛〕
- 掲載日
- 2026年 04月15日 12時09分
- 最新掲載日
- 2026年 04月15日 12時11分
- 感想
- 4件
- レビュー
- 0件
- ブックマーク登録
- 214件
- 総合評価
- 2,910pt
- 評価ポイント
- 2,482pt
- 感想受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - レビュー受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 誤字報告受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 開示設定
- 開示中
- 文字数
- 33,380文字
設定
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたの隣は最初から、私の場所じゃなかったみたいなので。
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから
同一作者の作品
N5999MA|
作品情報|
完結済(全40エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
三年間、約束はただの一度も守られなかった。
誕生日も、卒業の舞踏会も、二人で過ごすはずだった日はいつも同じ言葉で奪われた。 幼馴染が倒れたから。 体が弱い子だから。 強い君ならわかるだろう。
わかりたくなんてなかった//
N8322MA|
作品情報|
完結済(全20エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
十年間、一度も感謝されなかった。
公爵令嬢ミレーユは、王太子の婚約者として誰にも気づかれない仕事を続けてきた。 外交書簡の起草。社交人脈の維持。領地の物資契約の管理。 全ては婚約者の名の下に、当然の義務として消費された//
N2560MB|
作品情報|
連載(全10エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
三年間尽くした婚約者に「君は妹ほど可愛くないね」と言われた夜、シルヴィアは涙ではなく婚約解消届に手を伸ばした。
前の人生でも似たような男に時間を費やして後悔した記憶がある。 同じ過ちは二度と繰り返さない。
実家にも頼//
N8091LY|
作品情報|
連載(全46エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
この宮廷では、涙を流した者の言葉が信じられる。
公爵令嬢エステラには前世の記憶がある。 百貨店の窓口で十年間、理不尽なクレームに頭を下げ続けた日々。 泣く客の言い分だけが通り、事実確認は後回しにされる光景を何度も見てき//
N4232MA|
作品情報|
完結済(全10エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
味方が一人もいない朝が来た。
冤罪で断罪され、婚約を破棄され、家族に絶縁された公爵令嬢ヴィオレッタの手元に残ったのは、小さな鞄と数日分の路銀だけだった。
泣かなかった。嘆かなかった。 前世で外交官だった彼女の頭は、絶//
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。