ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

告発の年代記 〜真実を書いたはずの記録が、人を殺す証拠になっていた〜

あらすじ
毎日昼12時に投稿します。たぶん。


中世の町ロシュフォールで記録係を務める若き修道士マティアスは、文字と記録が人を救い、真実を残すものだと信じていた。だが、井戸水の異変をきっかけに、町はひとりの善良な男ジルを「毒を入れた者」として追い詰めていく。曖昧な証言、恐怖に押された住民、答えを先に持った取り調べ。マティアスは、記録が真実を守るどころか、人を裁くための道具にもなることを知る。

その後も町と周辺の村々では、異端の名簿、飢饉の配給表、魔女裁判の証言、子どもの言葉、裁判官自身を縛る手順、そして集団処刑を見物する人々の沈黙が、次々と人を追い詰めていく。誰かを救うはずの名簿は人を町の外へ押し出し、飢えを数える数字は空腹そのものを救えず、裁判記録は真実ではなく権威の都合を固めていく。無垢なはずの子どもの声さえ、大人が聞きたい形に変えられ、制度を作った者もまた制度によって潰される。

マティアスはそれぞれの惨劇を目撃しながら、公の記録には書けないことを密かに日記へ残していく。彼が書くのは、英雄の告発でも、誰かを一方的に断罪するための文でもない。恐怖の中で人が何を見ないことにしたのか、誰の声が押し潰されたのか、誰が沈黙によって裁きに加わったのかという、消されやすい事実だった。

老いたマティアスは、やがてその日記を若い薬売りエリアスに託す。日記は救済ではない。死者を戻すことも、過去の裁きを取り消すこともできない。それでも、次に誰かに託すことにより同じ過ちが繰り返される前に、誰かが立ち止まる可能性を残せる。
マティアスはそう信じた。
いや、信じるしかなかった。

『告発の年代記』は、怪物ではなく共同体の空気が人を殺す物語であり、記録を信じた男が、記録の恐ろしさを知った末に、それでも書くことを選ぶ物語である。
Nコード
N0659MF
作者名
三交代制コーヒーライター
キーワード
R15 残酷な描写あり ダーク ダークファンタジー 冤罪 告発 年代記 書記 魔女裁判風 群衆心理 罪と記録
ジャンル
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
掲載日
2026年 05月17日 18時15分
最新掲載日
2026年 05月23日 12時00分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
0件
総合評価
0pt
評価ポイント
0pt
感想受付
受け付ける
※ログイン必須
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
68,536文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N6185MF| 作品情報| 連載(全20エピソード) | 異世界〔恋愛〕
婚約破棄で都から追い出された薬師令嬢が、辺境で嫌がらせの毒見役に落とされたはずなのに、その知識で王弟と領地を救い、王都の偽りを暴いていく。
N0659MF| 作品情報| 連載(全18エピソード) | ハイファンタジー〔ファンタジー〕
毎日昼12時に投稿します。たぶん。 中世の町ロシュフォールで記録係を務める若き修道士マティアスは、文字と記録が人を救い、真実を残すものだと信じていた。だが、井戸水の異変をきっかけに、町はひとりの善良な男ジルを「毒を入//
N4199MF| 作品情報| 連載(全6エピソード) | 現実世界〔恋愛〕
事故のあと、相沢蓮は新しい記憶をうまく保てなくなった。 通院先の病院の売店で出会ったのは、月島澪という明るく距離感の近い女の子。 初対面のはずなのに、彼女は蓮の飲み物の好みを妙にわかっていて、軽口にも自然に乗ってくる。//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ