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こはる行政書士見習帖 〜 昭和に転生して許認可に振り回されると試験知識が骨身にしみます 〜  作者: 条文小説
〈商法・会社法 配点20点/300点〉 株式

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628/701

[会社法・自己株式の消却、株式併合、株式分割、株式無償割当て]法理編 こはるノート

挿絵(By みてみん)

 株式が十倍になったら、財産も十倍になるのでしょうか。


 反対に。


 十株が一株になったら、財産は十分の一になるのでしょうか。


 そして。


 社長が「お前の株は消却した」と宣言したら、本当に株主の権利は消えてしまうのでしょうか。


 答えは。


 どれも、そんな単純な話ではありません。


 株式の数と、株式の価値。


 会社が持つ株式と、株主が持つ株式。


 株式を増やすことと、新しい株式を割り当てること。


 似ているようで、全部違います。


 昭和六十三年。


 夕方の片桐行政書士事務所。


 私は机に向かい、ノートを開いていました。


 表紙には大きく、


 ――こはるノート・商法編。


 と書いてあります。


「……先輩」


「何だ」


「株式って、増えたり減ったり、忙しいですね」


 相馬先輩が新聞から顔を上げました。


「いきなり何だ」


「だって、消却、併合、分割、無償割当てですよ?」


「ああ」


「消す、まとめる、分ける、配る!」


「何かの料理か」


「違います!」


 私は鉛筆を握りました。


「昨日の東海精機の事件、覚えてますよね?」


「忘れるわけねえだろ」


 東海精機株式会社。


 黒岩剛三社長。


 少数株主を追い出すために、十株を一株に併合すると言い出した人物です。


 相談者は、小野寺澄江さん。


 亡くなったご主人から、会社の株式五株を相続していました。


 ところが黒岩社長は、


「十株を一株にするんだから、五株しか持っていないお前は株主失格だ!」


 と宣言。


 さらに。


「端数は会社の自己株式として無償消却する!」


 などという、強引な通知まで出していたのです。


 結局。


 株式併合の法的根拠や手続を確認した内容証明郵便を送ると、会社側は計画を見合わせました。


 澄江さんの株主としての地位も、否定しないと回答してきたのです。


「でも先輩」


「何だ」


「私、あの事件で一つ分かったことがあります」


「ほう」


「株式の数を変える制度って、使い方を間違えると怖いんですね」


「そうだな」


「だって、株式を増やしたり減らしたりするだけの話だと思っていたら、株主の地位そのものが問題になるんですから」


 相馬先輩が頷きました。


「だから、法律で手続を決めてるんだ」


 そこへ。


 奥から片桐所長が声をかけました。


「こはる」


「はい!」


「今日は四つを区別しろ」


「四つ?」


「自己株式の消却。株式併合。株式分割。株式無償割当て」


「はい!」


「それぞれ、何が増え、何が減り、誰の権利に影響するのか」


 所長は帳簿を閉じました。


「そこを理解すれば、黒岩の間違いも見えてくる」


 私は大きく頷きました。


「分かりました!」


 よし。


 今日のこはるノート。


 株式の四大変身。


 完全攻略です!


 まず、私はノートに大きな文字を書きました。


 ――自己株式の消却。


「先輩、自己株式って何ですか?」


「会社が持っている、自分の会社の株式だ」


「そうです!」


 私は大きく丸をつけました。


 普通、会社の株式は株主が持っています。


 ところが、会社自身が自社の株式を取得し、保有することもあります。


 これが、自己株式です。


「たとえば、東海精機が発行した株式を、東海精機自身が持っている場合ですね」


「そうだ」


「その株式を消滅させるのが、自己株式の消却です」


 私はノートに書きました。


 ――消却とは、株式そのものを消滅させること。


「でも、ここが大事なんですよね」


「どこだ」


「自己株式であることです!」


 私は、昨日の通知書を机に置きました。


 ――小野寺澄江の保有する五株については、会社が自己株式として取得したものとみなし、無償消却する。


「これです!」


 相馬先輩が笑いました。


「ああ。傑作だったな」


「勝手に『みなし』って書いてあります!」


「そうだな」


「会社が持っているわけでもない株式を、勝手に自己株式扱いしているんです!」


 私は鉛筆で、その部分に大きなバツを書きました。


 黒岩社長は、重大なことを勘違いしていました。


 株式を消却する制度がある。


 だから。


 他人の株式も、社長が命令すれば消せる。


 そんな理屈は通りません。


「現代の会社法では、自己株式の消却について第百七十八条があります」


「また未来か」


「今回は比較のためです!」


 私は勢いよく説明しました。


 現代の会社法第百七十八条。


 株式会社は、自己株式を消却できます。


 ただし、そのためには消却する自己株式の数を定めなければなりません。


 種類株式発行会社なら、種類ごとの数も必要です。


「決定するのは誰だ?」


 相馬先輩が尋ねました。


「取締役会設置会社なら、取締役会の決議です!」


「では、取締役会を設置していない会社なら?」


「取締役の過半数による決定が原則です!」


 私はノートに整理しました。


 現代の自己株式の消却。


 取締役会設置会社。


 取締役会決議。


 取締役会非設置会社。


 取締役の過半数による決定。


「ただし!」


 私は自分で言いました。


 相馬先輩が眉を上げます。


「何だ」


「これは消却する自己株式の数などを決める手続です。自己株式を取得する手続とは別なんです!」


「そうだ」


 ここが重要です。


 自己株式の消却と。


 自己株式の取得。


 この二つは同じではありません。


 会社が株主から自社株式を取得するには、取得の方法に応じた法律上の要件や手続があります。


 株式を取得したからといって、必ず消却しなければならないわけでもありません。


「つまり、買い取ることと、消すことは別なんですね」


「そうだ」


「黒岩社長は、その二つを一緒にしてしまった」


 私は頷きました。


 しかも。


 ここは昭和六十三年です。


「所長」


「何だ」


「当時の自己株式取得は、原則として禁止されていたんですよね」


「そうだ」


 昭和の商法では、会社が自分の株式を取得することについて、現代より厳しい制限がありました。


 例外的に認められる取得や、資本減少などに伴う株式の消却はありましたが、現在の会社法第百七十八条をそのまま適用できる時代ではありません。


「どうして、そんなに厳しかったんですか?」


 私が尋ねると、所長が言いました。


「会社の財産を守るためだ」


「財産?」


「株主から株式を買い取るために会社の財産を使えば、その分、会社の資産が減ることがある」


「あ……」


「会社に金を貸している債権者のことも考えなければならん」


 なるほど。


 会社の資金は、社長だけのものではありません。


 会社には、仕入先もいれば、金融機関もいる。


 取引先に支払わなければならないお金もある。


 そこを無視して、社長が好き勝手に株式を買い集めてよいわけではないのです。


「だから昔は、自己株式の取得を厳しく制限していたんですね」


「そうだ」


「現代では自己株式の取得が広く認められるようになりましたが、その分、財源規制などが整備されている」


 私はノートに書きました。


 ――自己株式の取得は、会社の財産と債権者保護に関係する。


 なるほど。


 単なる株式の整理ではありません。


 会社のお金を、誰のために、どのように使うのか。


 そこまでつながっているのです。


「次は、株式併合です!」


 私はページをめくりました。


 ――株式併合。


 複数の株式を、それより少ない数の株式にまとめること。


「これ、黒岩社長が使おうとした制度ですね」


「ああ」


「十株を一株にする!」


 私は、十個の丸を描きました。


 ○○○○○○○○○○


 ↓


 ○


「十株あった株式が、一株になります」


「そうだな」


「でも、ここで注意したいのが株式の価値です」


 私は続けました。


 たとえば。


 一株一万円相当の株式が十株あるとします。


 全部で十万円相当です。


 これを十株から一株に併合した場合。


 株式の価値が、機械的に一万円の十分の一になるわけではありません。


 理屈の上では、一株十万円相当になる関係です。


「つまり」


 私は言いました。


「株数が十分の一になっても、それだけで持分全体の経済的価値が十分の一になるわけではありません!」


「そうだ」


「会社の資産や収益、将来性などが変わらなければ、株式をまとめただけで会社全体の価値が変わるわけではないんです」


 相馬先輩が頷きました。


「株式の数と価値を混同するな、ってことだ」


「はい!」


 ただし。


 株式併合には、重要な問題があります。


 少数株主です。


「先輩、十株を一株にするとき、五株しか持っていない人はどうなります?」


「一株に満たないな」


「そうなんです!」


 私は五つの丸を描きました。


 ○○○○○


 ↓


 〇・五株相当


「これが端数の問題です」


 株式併合によって、一株に満たない端数が生じることがあります。


 現代の会社法では、こうした端数について、法定の換価・代金交付などの手続が設けられています。


「だから、五株が一株に満たなくなるからといって、無償で全部取り上げてよいわけではないんですね」


「そうだ」


 株主としての地位に影響が生じることはあります。


 しかし、その場合にも、法律上の手続と財産的利益の保護を考えなければなりません。


「そして、現代では株式併合に株主総会の特別決議が必要です!」


 私はノートに二重線を引きました。


 会社法第百八十条。


 株式併合をする場合には、併合の割合や効力発生日など、必要な事項を定めます。


 そして、原則として株主総会の特別決議が必要になります。


「特別決議って何だった?」


 相馬先輩が聞きました。


「はい!」


 私は即答しました。


「原則として、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権の三分の二以上の賛成が必要です!」


「よし」


「ただし、定款による定足数の緩和など、法律で認められる例外には注意です!」


 相馬先輩が笑いました。


「今度はちゃんと例外まで覚えたか」


「昨日、所長に赤鉛筆で直されましたから!」


 私は胸を張りました。


 特別決議。


 普通決議よりも厳しい。


 なぜなら、株式併合は、株主の権利に重大な影響を与えることがあるからです。


「でも所長」


「何だ」


「昭和六十三年には、現代のような一般的な株式併合制度とは違ったんですよね」


「そうだ」


 所長が頷きました。


「当時は、資本の減少など、法律上認められた場合との関係で株式併合を考える必要があった」


「はい」


「ただ、株主総会を開けば何でもできるというものではなかった」


 私は昨日の通知書を見ました。


 黒岩社長は、株主管理が面倒だから十株を一株にまとめる、と言っていました。


 しかし。


 昭和六十三年の商法では、そのような理由だけで自由に株式併合ができるわけではありません。


 必要な法的根拠。


 決議。


 公告などの手続。


 そして、株主の利益の保護。


 それらを無視していたことが、あの計画の大きな問題だったのです。


「だから、現場編では、まず適法な株式併合が成立しているのかを調べたんですね」


「そうだ」


 所長は言いました。


「株主総会の議事録だけでなく、何のために、どの法律上の手続によって併合するのかを確認する」


「はい」


 私は頷きました。


 なるほど。


 現代の条文を知っているだけでは、昭和の事件は解決できません。


 同じ言葉でも、法律上の位置づけが違うことがある。


 それが、転生受験生の恐ろしいところです。


「ちなみに、先輩」


「何だ」


「現代の株式併合では、特別決議さえあれば少数株主の権利を何でも奪えるんですか?」


「そんなわけねえだろ」


「ですよね!」


 現代では、株式併合による端数処理や、一定の場合の反対株主の株式買取請求など、株主保護の制度も整えられています。


 特別決議が成立すれば、あらゆる問題が消えるわけではありません。


 必要な情報提供や手続を守らなければならず、著しく不当な取扱いが問題となる場合もあります。


「結局」


 私は言いました。


「多数決だけでは、少数株主を完全に無視できないんですね」


「そういうことだ」


 相馬先輩が頷きました。


「会社は多数決で動く。でも、多数派が何をしてもいいわけじゃねえ」


 私は、その言葉をノートに書きました。


「では、三つ目!」


 私はページをめくりました。


 ――株式分割。


「これは、株式併合の反対ですね」


「ああ」


「一株を十株にする!」


 私は、一つの丸を描きました。


 ○


 ↓


 ○○○○○○○○○○


「分かりやすい!」


「本当に分かってるか?」


 相馬先輩が尋ねました。


「もちろんです!」


「じゃあ、問題だ」


「はい!」


「お前が一株百万円相当の株式を一株持っているとする」


「はい」


「会社がその一株を百株に分割した」


「はい!」


「お前はいくら儲かった?」


「ゼロ円です!」


 私は即答しました。


 相馬先輩が頷きます。


「理由は?」


「株式分割だけで、会社全体の価値が増えるわけではないからです!」


 私はノートに書きました。


 分割前。


 一株百万円相当。


 一株保有。


 合計百万円相当。


 分割後。


 一株一万円相当。


 百株保有。


 合計百万円相当。


「もちろん、実際の株価は市場の需給などで変動します」


「そうだな」


「でも、株式分割そのものが、株主に百倍の財産をプレゼントするわけではありません」


「そういうことだ」


 なるほど。


 株式分割は、株数を増やします。


 でも、既存株主の持分割合が、分割だけで変わるわけではありません。


 たとえば。


 会社の発行済株式が千株。


 そのうち百株を持っていれば、持分割合は一〇%です。


 会社が全株式を一対十で分割すれば。


 発行済株式は一万株。


 その人の株式は千株。


 割合は、やはり一〇%です。


「先輩!」


「何だ」


「株数は増えますけど、会社の中での割合は変わらないんですね!」


「原則としてな」


 相馬先輩が頷きました。


「じゃあ、何のために分割するんだ?」


「株式を取引しやすくするためです!」


 私は説明しました。


 株式の値段が高くなりすぎると、一株買うのにも大きなお金が必要になります。


 そこで株式を分割すれば、一株当たりの価格が下がる方向に働き、少ない資金でも株式を取得しやすくなります。


 たとえば。


 一株百万円相当。


 普通の人には、なかなか買えません。


 でも。


 百株に分割して、一株一万円相当になれば。


 購入しやすくなります。


「株式の流動性が高まることが期待できるんです!」


「そうだ」


「つまり、株式分割は株式を小口化する仕組みなんですね」


 私は頷きました。


 ここで、現代の会社法です。


 会社法第百八十三条。


 株式分割をするときは、分割割合や基準日、効力発生日などの必要事項を定めます。


「では先輩!」


「何だ」


「株式分割は、誰が決めるでしょう!」


「お前が答えろ」


「ええっ!」


 仕方ありません。


 私は自分で答えました。


「取締役会設置会社では、取締役会の決議です!」


「うん」


「取締役会を設置していない会社では、株主総会の普通決議です!」


「そうだ」


 私は二重線を引きました。


 現代の株式分割。


 取締役会設置会社。


 取締役会決議。


 取締役会非設置会社。


 株主総会の普通決議。


「ここ、株式併合との違いですね!」


「ああ」


「株式併合は、原則として株主総会の特別決議」


「うん」


「株式分割は、取締役会設置会社なら取締役会決議」


「そうだ」


 株式併合では、一株未満の端数が生じ、少数株主の地位に影響が出る可能性があります。


 一方、株式分割は、原則として株主の持分割合を変えずに株数を増やす仕組みです。


 だから。


 必要な決議の重さも違うのです。


「先輩、普通決議って何でしたっけ?」


「忘れたのか」


「確認です!」


 私は答えました。


「原則として、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権の過半数の賛成で成立します!」


「よし」


「ただし、定款の定めや法律上の例外には注意ですね」


「ああ」


 よし。


 ここまで整理すると。


 頭が、かなりすっきりします。


 株式併合。


 少なくまとめる。


 原則、特別決議。


 株式分割。


 細かく増やす。


 取締役会設置会社なら、取締役会決議。


「でも所長」


「何だ」


「昭和六十三年にも株式分割はあったんですよね」


「ああ」


 所長が頷きました。


「ただし、当時の額面株式制度なども考えなければならん」


「そうでした!」


 昭和六十三年には、現代には存在しない額面株式制度がありました。


 額面に関する規律や資本との関係も、現代とは異なります。


 私は思わず唸りました。


「うう……」


「どうした」


「同じ株式分割でも、時代が違うと制度の前提まで違うんですね」


「そうだ」


「現代の会社法って、かなり整理されているんですね……」


 相馬先輩が笑いました。


「また未来を褒めてるな」


「だって、そうなんです!」


 私は鉛筆を握りました。


 現代の制度を覚えるだけなら。


 会社法第百八十三条。


 株式分割。


 これで済む部分もあります。


 でも。


 昭和の商法を学ぶと。


 どうして現代の制度が整理され、使いやすくなったのか。


 その理由が、少しずつ見えてくるのです。


「さて」


 相馬先輩が煙草を灰皿に押しつけました。


「最後だな」


「はい!」


 私はページをめくりました。


 ――株式無償割当て。


「これが、株式分割と間違えやすいんですよね」


「ああ」


「だって、どちらも株主の持っている株式が増えることがありますから」


 私はノートに書きました。


 株式分割。


 もともとある株式を細かくする。


 株式無償割当て。


 既存株主に、払込みを求めずに株式を割り当てる。


「たとえば、百株持っている株主に、追加で百株を無償で割り当てるような場合ですね」


「そうだな」


「ただし、会社がただ一部の気に入った役員にだけ、好き勝手に配れるという意味ではありません」


 私は、黒岩社長の第三号議案を見ました。


 ――役員に対する新株式の無償交付。


「この書き方も、怪しかったですよね」


「ああ」


「現代の株式無償割当てでは、対象となる既存株主の持株数に応じて割り当てる仕組みなんです」


 そうです。


 会社法第百八十五条。


 株式無償割当て。


 そして、具体的な事項の決定は第百八十六条です。


「先輩、ここで問題です!」


「またか」


「株式無償割当ては、どの機関で決めるでしょう!」


 私は自分で答えました。


「定款に別段の定めがない場合、取締役会設置会社では取締役会決議です!」


「うん」


「取締役会非設置会社では、株主総会の普通決議です!」


「そうだ」


 私は書きました。


 現代の株式無償割当て。


 取締役会設置会社。


 取締役会決議。


 取締役会非設置会社。


 株主総会の普通決議。


 ただし、定款に別段の定めがある場合は、その定めを確認する。


「株式分割と似てますね」


「ああ」


「でも、決定的な違いがあるんです!」


 私は鉛筆を振りました。


「何だ」


「株式の種類です!」


 ここが重要です。


 現代の会社法では、種類株式発行会社という制度があります。


 たとえば。


 普通株式。


 優先配当を受ける種類株式。


 議決権について異なる内容を持つ種類株式。


 そのように、権利内容の異なる株式を設けられる場合があります。


「株式分割では、分割前と同じ種類の株式が増えます」


「うん」


「でも、株式無償割当てでは、一定のルールのもとで、持っている株式と異なる種類の株式を割り当てることもできます」


 私はノートに二つの例を書きました。


 株式分割。


 普通株式一株。


 ↓


 普通株式十株。


 株式無償割当て。


 普通株式百株を保有。


 ↓


 普通株式を保有したまま、別の種類の株式を所定の割合で割り当てることも可能。


「なるほどな」


 相馬先輩が言いました。


「同じ種類の株が増えるのか、別の種類の株を割り当てることもできるのか」


「はい!」


 私は大きく丸をつけました。


 これが、一つ目の決定的な違いです。


 そして。


 もう一つ。


 試験で間違えやすいポイントがあります。


「自己株式です!」


 私が言うと、相馬先輩がこちらを見ました。


「ほう」


「株式分割と株式無償割当てでは、自己株式の扱いも違います!」


 私はノートに書きました。


 株式分割。


 会社が持っている自己株式も、分割の対象になる。


 株式無償割当て。


 会社自身が持つ自己株式には、割当てを行わない。


「ここ、重要ですよ!」


「ああ」


 たとえば。


 ある会社が、自己株式を十株保有しているとします。


 その会社が、一株を二株に分割したら。


 自己株式も、二十株になります。


「でも」


 私は続けました。


「株式無償割当てでは、会社自身が持っている自己株式に対して、新たな株式を割り当てることはできません」


「そうだ」


「なぜなら、無償割当ては、会社以外の既存株主に対して株式を割り当てる仕組みだからです」


 私は、ノートに二重線を引きました。


 株式分割。


 自己株式も増える。


 株式無償割当て。


 自己株式には割り当てない。


「これ、完全に覚えました!」


「本当か?」


「はい!」


 相馬先輩が、にやりと笑いました。


「じゃあ、もう一問」


「どうぞ!」


「会社が持っている自己株式を、ほかの株主に無償で割り当てることは?」


 私は即答しました。


「できます!」


「よし」


 そうです。


 現代の株式無償割当てでは、会社が保有している自己株式を用いて、ほかの株主に割り当てることもできます。


 ここが面白いところです。


 自己株式に対して無償割当てはできない。


 でも。


 自己株式を、ほかの株主に割り当てることはできる。


「……ややこしい!」


 私は叫びました。


 相馬先輩が笑いました。


「似た言葉だからな」


「自己株式に割り当てることはできない。でも自己株式を割り当てることはできる!」


「そうだ」


「一文字違うだけで、意味が変わるじゃないですか!」


「法律ってのは、そういうもんだ」


 私は頭を抱えました。


 でも。


 考えてみれば、当然です。


 会社自身が持っている株式を、さらに会社自身へ配る必要はありません。


 一方。


 会社が持っている自己株式を、ほかの株主へ割り当てることは、別の話です。


「先輩!」


「何だ」


「これ、かなり試験に出しやすいところですよね!」


「知らねえよ」


「絶対に引っかけ問題になります!」


「だから未来の試験事情を俺に聞くな!」


 私は笑いました。


 でも。


 ここまで整理できれば。


 株式分割と株式無償割当て。


 もう混同しません。


「ところで、こはる」


 片桐所長が言いました。


「はい」


「今、お前が説明した株式無償割当ては、昭和六十三年の制度か」


 ……。


 私は固まりました。


「……違います」


「そうだ」


 所長が頷きました。


「現代の会社法の制度だ」


「はい」


 私は慌てて六法を開きました。


 昭和六十三年。


 商法第二編。


 そこには、現代の会社法第百八十五条にあるような株式無償割当て制度が、そのまま存在するわけではありません。


 当時は、準備金の資本組入れに伴う新株式の無償交付など、旧商法に基づく別の制度がありました。


「だから、黒岩社長の議事録に『無償交付』と書いてあったからといって、現代の株式無償割当てと同じ制度として考えてはいけないんですね」


「そうだ」


「その当時の商法に基づいて、何をしようとしているのか確認しなければならない」


「うん」


 私は頷きました。


 黒岩社長は、少数株主の株式を消却したあと、役員に都合よく株式を増やそうとしていました。


 でも。


 株式分割という言葉を使えば、好きな役員だけに株式を増やせるわけではありません。


 無償交付という言葉を使えば、何の手続もなく、新しい株式を配れるわけでもありません。


 法律の定める仕組みと、会社の決議。


 その両方が必要です。


「所長」


「何だ」


「つまり、黒岩社長は四つの制度を、全部自分の都合のいいように使おうとしていたんですね」


「そうだ」


「株式併合で少数株主を追い出す」


「うん」


「自己株式の消却という言葉で、その株式を無償で消す」


「うん」


「そして、株式分割や無償交付で、自分たちの支配を強める」


「そういう計画だったな」


 所長は、静かに言いました。


「だが、制度は社長の欲望に合わせて作られているわけではない」


 ……。


 私は、その言葉をノートに書きました。


 株式制度は、会社を動かすための仕組み。


 誰かの権利を、好き勝手に奪うための道具ではないのです。


 窓の外は、夕焼け色に染まっていました。


 私は、ここまでの内容を見直しました。


 そして。


 四つの制度を、最後に整理することにしました。


「先輩!」


「何だ」


「確認問題、お願いします!」


「またか」


「今日こそ完璧です!」


 相馬先輩は、しばらく考えました。


「じゃあ一問目」


「はい!」


「会社が持っている自己株式を消滅させることを何と言う?」


「自己株式の消却です!」


「現代の取締役会設置会社では、消却する数などを誰が決める?」


「取締役会です!」


「よし。二問目」


「はい!」


「十株を一株にまとめることを?」


「株式併合です!」


「現代の会社法では、原則として何決議が必要だ?」


「株主総会の特別決議です!」


「よし。三問目」


「はい!」


「一株を十株にすることを?」


「株式分割です!」


「取締役会設置会社では?」


「取締役会決議です!」


「よし。四問目」


「はい!」


「既存株主に、払込みをさせず株式を割り当てることを?」


「株式無償割当てです!」


「定款に別段の定めがない取締役会設置会社なら?」


「取締役会決議です!」


 相馬先輩が頷きました。


「まあ、いいだろ」


「やった!」


 私は拳を握りました。


 でも。


 相馬先輩は、まだ終わっていませんでした。


「じゃあ、最後の問題だ」


「はい!」


「株式分割と株式無償割当て。自己株式の扱いは?」


 私は、すぐに答えました。


「株式分割では、自己株式も分割されます!」


「うん」


「株式無償割当てでは、自己株式には割当てをしません!」


「それから?」


「会社の保有する自己株式を、ほかの株主に無償割当てすることはできます!」


「正解」


 ……。


 私は、思わず机を叩きました。


「完璧!」


「うるせえ」


「先輩、褒めてください!」


「調子に乗るな」


「ひどい!」


 そのとき。


 片桐所長が、静かに言いました。


「こはる」


「はい!」


「では、昭和六十三年の会社法第百八十条を読んでみろ」


 ……。


 私は固まりました。


「……ありません」


「そうだ」


「会社法が、まだありません!」


「よし」


 相馬先輩が吹き出しました。


「お前、何回引っかかるんだよ!」


「だって、未来人なんですから!」


「何?」


「あっ!」


 しまった。


 私は口を押さえました。


「い、いえ! 未来の法律を勉強する受験生の気持ちです!」


「意味分かんねえよ!」


 危ない。


 転生者の正体が、危うくばれるところでした。


「それにしても」


 私はノートを眺めました。


「昔の商法って、どうしてこんなに複雑だったんでしょうね」


 相馬先輩が言いました。


「会社の仕組みそのものが、今とは違うからな」


「そうですよね」


 昭和六十三年。


 株式会社を設立するには、原則として発起人が七人以上必要でした。


 取締役も三人以上。


 監査役も必要。


 現代の一人株式会社とは、大違いです。


「先輩、考えてみてください」


「何だ」


「もし私が一人で会社を作りたいと思ったら?」


「株式会社なら、発起人を七人そろえろ」


「七人!」


「ああ」


「そんなに知り合いいません!」


「知り合いぐらいいるだろ」


「会社を一緒に作ってくれる人ですよ!」


 私はため息をつきました。


 現代なら。


 発起人一人。


 取締役一人。


 資本金一円。


 法律上は、そんな株式会社も作れます。


 もちろん、事業を続けるには十分な資金や信用が必要ですが。


 少なくとも、法律上の設立のハードルは大きく下がっています。


 でも。


 昭和六十三年には違う。


 そのため、名義だけを借りる発起人や、実際には経営に関与していない役員をそろえる例もありました。


「だから、ワンマン社長が生まれやすかったんですね」


 私が言うと、相馬先輩が頷きました。


「まあ、形式だけ整えて、実際は一人で仕切る会社もあるな」


「黒岩社長みたいに」


「ああ」


 私は、少し考えました。


 会社には、株主がいます。


 取締役がいます。


 監査役がいます。


 それぞれ、役割が違います。


 ところが。


 実際には、社長一人がすべてを支配している。


 そうなると。


 会社の財産は俺のものだ。


 株主なんて、邪魔なら追い出せばいい。


 そんな勘違いが起こりやすくなるのかもしれません。


「でも、だからこそ商法が必要なんですね」


 私は言いました。


 片桐所長が頷きました。


「そうだ」


「会社は、社長一人の持ち物ではない」


「うん」


「株主の権利も守らなければならない」


「そうだ」


「それに、会社の債権者も守らなければならない」


「うん」


 私は、澄江さんの事件を思い出しました。


 五株の株式。


 そして、会社への貸付金百万円。


 あの二つは、別々の権利でした。


 株式併合をしたからといって、貸付金が消えるわけではありません。


 株主としての地位に変動があっても、会社との金銭消費貸借関係が当然に消滅するわけではありません。


「黒岩社長は、そこも勘違いしていましたね」


「そうだ」


「会社との関係を全部終わりにするって」


「馬鹿げた話だ」


 私は頷きました。


 株式。


 貸付金。


 会社の財産。


 社長個人の財産。


 それぞれ、法的な意味が違います。


 そこを混同すると。


 会社の経営は、簡単におかしくなってしまうのです。


「ところで所長」


「何だ」


「現代では、どうして会社法が独立したんでしょうね」


 所長は、少し考えました。


「制度というものは、社会に合わせて見直されていく」


「はい」


「会社の形も、取引の仕方も変わる。昔の仕組みが、そのままでは使いにくくなることもある」


 私は頷きました。


 現代の会社法は、平成十七年に制定され、平成十八年に施行されました。


 それまで商法や有限会社法などに分かれていた会社制度を、整理・再編した法律です。


 株式会社の設立や機関設計が柔軟になりました。


 有限会社制度の見直しもありました。


 合同会社という新しい会社形態も導入されました。


 そして。


 自己株式の取得。


 株式の消却。


 株式併合。


 株式分割。


 株式無償割当て。


 こうした制度も、現代の会社法の中で整理されています。


「昔の商法から現代の会社法へ」


 私は言いました。


「会社を作りやすくし、運営の選択肢も広げたんですね」


「そういう方向の改正もあるんだろうな」


 相馬先輩が言いました。


「でも、自由になったからって、何をしてもいいわけじゃない」


「はい!」


 そこが重要です。


 昔より会社を作りやすくなった。


 取締役の人数も柔軟になった。


 株式に関する手続も整理された。


 けれど。


 株主や債権者を守る必要がなくなったわけではありません。


 自由にできる部分を広げながら。


 必要な手続や規制は残す。


 それが、会社制度の発展の大切な方向なのです。


「つまり」


 私は言いました。


「会社法が独立しても、会社は社長の好き放題にはできないんですね」


「当たり前だ」


 相馬先輩が笑いました。


「社長が一番偉いんじゃねえ。ルールを守った奴が勝つんだよ」


 私は、思わず笑いました。


「先輩、それ昨日も言ってました!」


「大事なことだから何度でも言うんだ」


「なるほど!」


 私は、その言葉をノートの端に書きました。


 夕方の事務所。


 私は、ノートの最後のページを開きました。


 今日、学んだ四つの制度。


 自己株式の消却。


 株式併合。


 株式分割。


 株式無償割当て。


 最初は、どれも似たような言葉でした。


 でも。


 事件を思い出せば、区別できます。


 自己株式の消却。


 会社が持つ自己株式を消す。


 株式併合。


 複数の株式をまとめて少なくする。


 株式分割。


 既存の株式を細かくして増やす。


 株式無償割当て。


 既存株主に、払込みを求めずに株式を割り当てる。


 私は、大きく頷きました。


「所長!」


「何だ」


「今日の一行、決まりました!」


「そうか」


「はい!」


 私は、鉛筆を握りました。


 そして。


 ノートの最後に、一行だけ書きました。


 ――自己株式の消却は「消す」、株式併合は「まとめる」、株式分割は「分ける」、株式無償割当ては「配る」。ただし、他人の権利は勝手に消せない。


「……できた!」


 私はノートを掲げました。


「どうですか!」


 相馬先輩が覗き込みました。


「長いな」


「ええっ!」


「一行に詰め込みすぎだろ」


「でも全部大事なんです!」


「まあ、覚えられるならいいんじゃねえか」


「褒めましたね!」


「気のせいだ」


「またそれですか!」


 私は笑いました。


 でも。


 この一行は、きっと忘れません。


 あの古い株券を思い出せばいい。


 小野寺澄江さん。


 五株。


 たった五株。


 でも。


 そこには、ご主人が働いた年月がありました。


 会社を作った日の夢がありました。


 家族の暮らしがありました。


 株式併合は、株式の数を減らす制度です。


 でも。


 社長が、気に入らない株主を無償で消してよいという制度ではありません。


 株式分割は、株式の数を増やす制度です。


 でも。


 株数が増えたからといって、財産が自動的に増えるわけではありません。


 自己株式の消却は、株式を消滅させる制度です。


 でも。


 他人の株式を、勝手に自己株式扱いできるわけではありません。


 株式無償割当ては、無償で株式を割り当てる制度です。


 でも。


 社長が自由に、好きな人にだけ株式を配るための魔法ではありません。


「……法律って」


 私は呟きました。


「よくできていますね」


 片桐所長が顔を上げました。


「そうか」


「はい」


 私は頷きました。


「株式の数を変える仕組みはあっても、人の権利を勝手に奪うことはできない」


「そうだ」


「多数決で会社を動かしても、少数株主を無視していいわけじゃない」


「うん」


「会社の財産を使うなら、債権者のことも考えなければならない」


「そうだ」


 私は、少し胸が熱くなりました。


 会社法。


 商法。


 株式。


 どれも、数字ばかりの世界だと思っていました。


 でも。


 その数字の向こうには、必ず人がいる。


 お金を出した人。


 働いた人。


 会社にお金を貸した人。


 そして。


 会社の未来を信じた人。


 法律は、その人たちの権利を守るためにあるのです。


「さて、こはる」


 相馬先輩が言いました。


「はい?」


「勉強会、終わりだな」


「はい!」


「じゃあ、机を片付けろ」


「……またですか」


「まただ」


 私は、腕を組みました。


「先輩」


「何だ」


「私は今日、株式併合と株式分割を完璧に理解しました」


「そうか」


「つまり、数が増えたり減ったりしても、本質的な価値は変わらないことがあるんです!」


「それで?」


「だから!」


 私は、胸を張りました。


「掃除当番も分割しましょう!」


 相馬先輩が止まりました。


「……は?」


「私一人で掃除するのは不公平です!」


「何がだ」


「掃除を二人に分割すれば、一人当たりの負担が半分になります!」


 相馬先輩は、しばらく黙っていました。


 そして。


「お前、それ株式分割と何の関係があるんだ」


「あります!」


「ねえよ!」


「だって、一人分の仕事を二人に分けるんですよ!」


「それは仕事の分担だ!」


 私は笑いました。


「じゃあ、株式無償割当て方式はどうですか?」


「何だそれ」


「先輩に、掃除当番を無償で割り当てます!」


「いらねえよ!」


「払込み不要です!」


「そもそも仕事だろ!」


 そのとき。


 片桐所長が、静かに言いました。


「こはる」


「はい!」


「掃除当番を併合する」


 ……。


 私は固まりました。


「……へ?」


「お前と相馬の当番を、一つにまとめる」


「はい?」


「そして、こはるが担当する」


「ええええっ!」


 相馬先輩が吹き出しました。


「所長、最高です!」


「ちょっと待ってください!」


 私は慌てました。


「それ、少数株主の排除と同じじゃないですか!」


「違う」


 所長は即答しました。


「業務分担だ」


「うう……!」


「それとも、異議があるか」


「あります!」


「聞こう」


 私は深呼吸しました。


 そして。


「特別決議を要求します!」


 相馬先輩が爆笑しました。


「何の株主総会だよ!」


「私の掃除当番に関する特別決議です!」


「そんな会社ねえよ!」


「じゃあ、私が反対株主になります!」


「お前、株主ですらねえだろ!」


 ……。


 確かに。


 私は、ただの見習いでした。


 株式も持っていません。


 議決権もありません。


 株主総会を開く理由もありません。


 完全敗北です。


「分かりましたよ!」


 私は箒を手に取りました。


「掃除します!」


「いい返事だ」


 相馬先輩が笑います。


 私は、ぶつぶつ文句を言いながら床を掃き始めました。


 窓の外。


 昭和の町に、夕暮れの明かりが灯っていきます。


 あのどこかで。


 小野寺澄江さんは、今日も大切な株券をしまっているのでしょう。


 亡くなったご主人が残してくれた、五株。


 社長が「消す」と言った五株。


 でも。


 それは、社長の一言だけでは消えませんでした。


 法律は、誰かの大声で変わるものではありません。


 株式の数は変えられても。


 他人の権利を勝手に奪えるわけではない。


 私は箒を止め、机の上のノートをもう一度見ました。


 ――自己株式の消却は「消す」、株式併合は「まとめる」、株式分割は「分ける」、株式無償割当ては「配る」。ただし、他人の権利は勝手に消せない。


 よし。


 完璧。


「こはる!」


 相馬先輩の声が飛びました。


「はい!」


「ノート見てねえで掃除しろ!」


「今、学習内容を確認してたんです!」


「確認は後だ!」


「先輩!」


「何だ!」


「掃除当番の株式分割を、もう一度提案します!」


「却下!」


「じゃあ、掃除当番の消却を!」


「もっと駄目だ!」


「せめて無償割当てで先輩にも!」


「いい加減にしろ!」


 ……なるほど。


 どうやら。


 株式の制度を完璧に理解しても。


 自分の掃除当番を消却することは、できないようです。


 残念ながら。


 この事務所では、株主総会よりも。


 片桐所長の一言の方が、よほど強いのでした。

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