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病室少女B♭リライト――青春はなぜか半音ズレるんだよ。

作者:電脳鯨
最終エピソード掲載日:2026/06/22
※¹ この話には、交通事故の後遺症、入院生活、手術、心身の不調に関する描写が含まれます。
※²だいたい、ふたりの少女が病室で語り合いながら、海を見に行く約束をする、ちょっと危険な青春の話です。
※³弦青とビビへのお見舞い代わりに、感想をいただけると嬉しいです。

 交通事故で入院した女子高生の榎木弦青は、すべてに絶望していた。

 身体は思うように動かず、大きな手術を受けても元通りになる保証はないと医師に言われた。外に出る夢も、未来への希望もない。彼女に残っていたのは、知識だけだった。

 ただ、彼女が知っているのは、テセウスの船や胡蝶の夢のような、答えのない問いばかり。

 病室で将来を諦める弦青の話し相手は、隣のカーテン越しに話しかけてくる少女。Bベッドだからビビ、と名乗る彼女は、妙に軽く、妙に遠慮がなく、弦青の絶望をいつも半音だけズラしてくる。

 壊れた身体で生き残っても、自分は自分なのか。
 知識だけで、世界を生きたことになるのか。
 元に戻れない人生に、それでも明日を欲しがっていいのか。

 カーテン越しに続く会話の果てに、ふたりは約束する。

 ――この病室から抜け出して、海を見に行こう。
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