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政略結婚のはずですが、旦那様はどうやら最初から私に本気だったようです

最終エピソード掲載日:2026/10/08
希少な《月属性》を持つ伯爵令嬢クラリスは、王国屈指の火属性魔術師であるヴァルモン侯爵アドリアンと結婚することになった。
月属性には、近しい者の魔力を増幅し、生まれてくる子供の魔術適性を高める力がある。
だからこれは、どう考えても魔術資質を目的とした政略結婚。
――少なくとも、クラリスはそう信じていた。
ところが結婚してみれば、アドリアンは想像以上に甘かった。
好みの紅茶も、本も、花も把握済み。朝食は必ず一緒に取りたがり、夜会では他の令嬢には目もくれず、クラリスとばかり踊りたがる。
「君との子なら、きっと可愛いだろうな」
そんな言葉まで平然と口にする夫に、愛情を期待してはいけないと教えられて育ったクラリスの心も、少しずつ傾いていく。
しかしある日、二人の魔力があまりにも強く同調するため、クラリスは子供を授かりにくい可能性があると告げられてしまう。
月属性としての役目を果たせない。
そう思ったクラリスは、愛する夫の未来のため、自ら第二夫人を迎えることを勧めるのだが――。
「私は君と結婚したかった。だから、君と結婚するための理由を作ったんだ」
どうやらこの政略結婚、政略だったこと自体は間違いない。
ただし、その政略を仕組んだのは――六年前からクラリスへ片想いしていた旦那様本人だったらしい。
愛情を求めてはいけないと思っている令嬢と、最初から妻しか見ていない超絶美形侯爵。
すれ違っているのは妻だけの、じれじれ甘々な政略結婚溺愛ロマンス。
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