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忘れもの図書室の夜間司書

作者:明石竜
最新エピソード掲載日:2026/06/28
閉館後、わたしたちは誰かの『忘れもの』を返しにいく。町立日向坂図書館で働き始めた臨時司書・倉橋詩乃は閉館後、地下書庫の奥にある不思議な部屋へ迷い込む。そこは、人が人生の途中で置き忘れた言葉や記憶、気持ちが集まる「忘れもの図書室」だった。古いしおりから生まれたねずみ・栞丸と、無口で慎重な先輩司書・瀬尾灯里に導かれ、詩乃は夜間司書見習いとして忘れものを持ち主へ返す仕事に関わることになる。亡き母の読み聞かせを忘れた少年。好きだった絵を諦めようとする高校生。遠い昔の約束を胸にしまった老婦人。けれど、忘れものは、ただ返せばよいわけではない。受け取る時や届け方を間違えれば、過去の記憶は新しい傷にもなってしまう。誰かの言葉を届ける中で、三年間小説を書けずにいた詩乃もまた、自分が置き忘れてきたものと向き合い始める。本と記憶をめぐる、静かな夜の図書館ファンタジー。
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