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十 兼遠と真薫
式部省。
兼遠が次子からの文を受け取った。
読む。
そして、深く息を吐いた。
「真薫くん」
兼遠が、真薫を呼んだ。
「はい」
「顕子様が、皇女をお産みになった」
真薫は、息を呑んだ。
「そうですか……」
「帝は、大層お喜びだそうだ」
兼遠は、続けた。
「しかし……」
兼遠の目が、鋭くなった。
「道顕様の様子が、おかしいそうだ」
真薫は、拳を握りしめた。
「道顕様は……」
「動くだろう」
兼遠は、きっぱりと言った。
「もう、時間がない」
真薫は、頷いた。
「心しておきます」
兼遠は、真薫の肩を叩いた。
「気をつけろ」
「はい」




