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月は蒼き島に落ちる

作者:木絨羽
最新エピソード掲載日:2026/10/24
延波島――若者が次々と島を離れていく、小さな離島。

島を出たい者は、反対される。
島に残りたい者は、出ることを期待される。

高校二年の遠海嶼言は、その「遠海神社」に囚われた少年だった。

ある日、教室の机の上に見知らぬガラス瓶が置かれていた。中には、海水。

放課後、その瓶の持ち主が嶼言の前に現れる。

蒼島汐鳴――毎晩、月が海に沈む瞬間に、小さなガラス瓶で海水を汲む少女。

「返して……」「……ああ。」

それが、二人の最初の会話だった。

汐鳴は毎日、月沈みの浜辺に立つ。瓶を海に沈め、月を閉じ込める。なぜ、そんなことをするのか。誰も知らない。嶼言も、聞かない。

けれど――彼女が汲む海水は、少しずつ、何かを失っていることに、嶼言は気づいてしまう。

月が海に沈むとき、海水はその瞬間を覚える。

けれど、覚えている者がいなくなれば、海は――忘れる。

「ずっと、君のそばにいる。たとえ千度万度、君が記憶を忘れても――そのたびに僕が、僕たちの物語を語り直すから。」
序章
2026/10/24 16:20 (改)
第1話
2026/10/24 16:23 (改)
第2話
2026/10/24 17:01
第3話
2026/10/24 17:32
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