表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
8/12

第八景 小説の道

 僕は『小説の道』を描いている。

小さな僕は下駄を履いてあぜ道を走っている。

遠くで母が手を振っている。

周りはいちめんの田圃だった。


後ろにもう一人の僕がゴムのサンダルを履いて追いかけて来る。

遠くで母が手を振っている。

周りに一軒の家が建っていた。


その後ろにもう一人の僕が運動靴を履いて追いかけて来る。

遠くで母が手を振っている。

周りを見るともう一軒、家が建った。


その後ろにスニーカーを履いて追いかけて来る僕がいた。

遠くで母が手を振っている。

周りには沢山の家が建っていた。


その後ろに自転車に乗った僕がいる。

遠くで母が手を振っている。

道路は砂利道に変わっている。


その後ろにクルマを運転している僕が居た。

遠くで腰の曲がった母が手を振っている。

道路は舗装され、家はビルに変わっていた。


 そしてある日、小説の道は無くなっていた。


僕は電車に乗っている。

車窓から外を見ると、消えそうな道を沢山の僕が歩いている。


最初に下駄を履いて走っていた僕は見えなくなっている。

あの時の母は今はもう居ない。


今、僕は飛行機の窓からあの道を探している。

・・・無い。

道は全て雲の上に成ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ