消した返信
最終エピソード掲載日:2026/06/22
羽澄ことりは、東京の小さなWebメディア編集部の株式会社未白編集室で働く後輩編集者。人の気持ちを言葉にする仕事は得意なのに、先輩編集者の真瀬凪人に送る文章は、送信前に何度も書き直しては消してしまう。
朝の光に沈むデスクに届く短い修正メモ、昼の打ち合わせで交わす静かな言葉、夜の帰り道に開く白い入力欄。送った言葉は平然とした顔で残り、送れなかった本音だけがことりの胸に熱を帯びる。
真瀬もまた、短い返信の奥で言葉を削っていた。近づきすぎれば壊れるかもしれないし、離れれば薄まってしまうかもしれない。その怖さの間で、二人の沈黙は少しずつ声に近づいていく。
消した返信は消えた言葉ではなく、夜を越え明日の光へ向かいながら白い余白の中で静かに恋を育てていた。そして、ことりが最後まで残った一文を声に出すと、真瀬もまた消してきた言葉の奥をそっと差し出した。朝が静かに始まった。
朝の光に沈むデスクに届く短い修正メモ、昼の打ち合わせで交わす静かな言葉、夜の帰り道に開く白い入力欄。送った言葉は平然とした顔で残り、送れなかった本音だけがことりの胸に熱を帯びる。
真瀬もまた、短い返信の奥で言葉を削っていた。近づきすぎれば壊れるかもしれないし、離れれば薄まってしまうかもしれない。その怖さの間で、二人の沈黙は少しずつ声に近づいていく。
消した返信は消えた言葉ではなく、夜を越え明日の光へ向かいながら白い余白の中で静かに恋を育てていた。そして、ことりが最後まで残った一文を声に出すと、真瀬もまた消してきた言葉の奥をそっと差し出した。朝が静かに始まった。
第1章:朝に残る白欄
2026/06/22 12:00
第2章:名づけぬ微熱
2026/06/22 12:30
第3章:短い灯が残る
2026/06/22 13:00
第4章:声に滲む本音
2026/06/22 13:30
第5章:夜に白欄ひらく
2026/06/22 14:00
第6章:読まれぬ熱の夜
2026/06/22 14:30
第7章:余白に声を聞く
2026/06/22 15:00
第8章:声になる手前で
2026/06/22 15:30
第9章:夜に保留する恋
2026/06/22 16:00
第10章:声になった夜
2026/06/22 16:30