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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

低級魔族《マジックポット》に転生した俺は、村人Aになりきりたい

作者:平木明日香
最新エピソード掲載日:2026/04/19


目が覚めたら、俺は――
壺になっていた。

いや、正確には壺っぽい。
丸っこい胴体。短い手足。ぬるっとした存在感。どう見ても「雑魚モンスターです、ありがとうございました」としか言いようのない見た目。
湖に映った自分の姿を見た瞬間、俺は理解した。

異世界転生、完全にハズレ枠である。

転生先は剣と魔法のファンタジー世界。
……なのはいい。
問題は、俺が勇者でも貴族でも最強ドラゴンでもなく、低級魔族《マジックポット》とかいう、見るからに「冒険者に見つかったら素材扱いされそうなやつ」だったことだ。

そしてその予感は、最悪の速度で的中する。
洞窟で目覚めた直後に遭遇した冒険者たちは、事情を聞くどころか問答無用で俺を討伐しにきた。

待て待て待て。
中身は昨日まで平和な現代日本で生きてた一般人だぞ。
いきなり「経験値よろしく!」みたいなノリで斬りかかられてたまるか。

必死に逃げ延びた俺は、ようやく気づく。
この世界でモンスターとは、話し合う相手ではない。
見つかったら狩られる側なのだと。

そんな絶望のさなか、俺は自分の“壺の中”に、とんでもない秘密があることを知る。
見た目はただの怪しいポット。
だがその内側には、外見からは想像もつかない無限じみた異空間が広がっていたのだ。

そこには、正体不明の魔力、意味不明なくらい膨大な情報、そして無数の魔法の可能性が詰まっていた。
しかも中に意識を潜らせると、なぜか頭まで冴えわたる。
もしかして俺、見た目は雑魚でも中身はヤバいやつなのでは……?

そうして手に入れたのが、人間に化ける魔法。

よし決めた。
魔王になるとか世界を滅ぼすとか、そういうのは後回しだ。
まず目指すべきはただ一つ――

“村人A”として平和に生きること。

怪しまれない顔。
目立たない言動。
できれば畑仕事とかして「おう兄ちゃん、今年は麦の出来がいいねえ」くらいのことを言って暮らしたい。
なのにこの世界、街へ行けば人間は魔族を図鑑に載せて賞金をかけてるし、各地にはヤバい魔族も潜んでるし、どうやら俺の壺の中身も“ただの収納”では済まないらしい。

しかも俺が使える謎の力は、ただの変身魔法だけじゃなかった。
それは記憶、存在、そして“過去”にまで触れうる、とんでもなく危険な異能の片鱗で――?
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