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戦闘理論総合資料



世界資料


魔法体系・属性魔力・固有異能・種族生態・戦闘理論総合資料


――人間と魔族を貫く力の構造、およびその相違について――




■ 総論


この世界において、魔法とは一部の選ばれた者だけが扱う奇跡ではない。

それは生命が生命であることそのものに近い。

すべての生命は原初生命 《ルカ》の分化によって生まれ、すべての個体はその深部に《コア》を持つ。

魔法とは、このコアが外界の霊素、自己の属性傾向、記憶、感情、身体構造、異能素地と反応し、現実へ干渉する形で現れた生命現象である。


ゆえに魔法は、単なる技術ではない。

剣術のように学べる部分はあるが、根底では身体、生態、精神、文化、血統、進化、環境、世界観そのものと結びついている。

とりわけ重要なのは、この世界において人間も魔族も、ともに魔力を扱う存在であるという点である。

差があるとすれば、それは魔力そのものの有無ではない。

魔力の流し方、コアの固定度、異能との結びつき方、肉体との相互作用、社会制度のなかでどう発展したか、その様式が異なるのである。


人間側の文明では、魔法は学術化・体系化・兵站化・制度化されてきた。

属性は分類され、術式は教本化され、魔導具は規格化され、軍用魔術や生活魔術は学校・騎士団・神殿で訓練される。

一方で魔族側では、魔法はより生態的で、身体的で、種族固有の感覚に近い。

彼らにとって属性魔力は“使うもの”であると同時に“そう在るもの”であり、固有異能は技能よりも器官に近い。


この資料では、まず魔法の基礎理論を整理し、ついで属性魔力の分類、固有異能の定義、人間と魔族の生態差、戦闘体系、鍛錬法、相性理論、暴走、社会的運用、モンスター協会の対応に至るまでを緻密に記述する。




■ 魔法の基礎理論



一、魔法とは何か


この世界における魔法とは、コアを媒介にして、霊素と現実の接続を再編成する行為である。

より平易に言えば、「本来そうではないはずの現実に対し、生命が自らの在り方を押し通して変化を起こす現象」である。


火を生む、水を操る、影を伸ばす、毒を増幅する、傷を癒す、空間を歪める。

これらはすべて、生命の内部にあるコアが、外界の霊素や素材に干渉し、自身の持つ属性傾向や記憶構造に沿って再構成を行うことで成立する。

ゆえに魔法は外部から授かる力ではなく、まず個体の存在構造が現実へ投影された結果である。



二、魔力とは何か


魔力は、しばしば霊素と混同されるが同一ではない。

霊素は世界に遍在する基底的な生命化可能因子であり、魔力はそれがコアと結び付くことで個体の意思や生態に従属可能なエネルギー状態へ変換されたものである。

簡単に言えば、霊素は素材、魔力は加工後の流体である。


すべての生命は微弱ながら魔力を持つ。

しかし、その流量、変換効率、安定性、属性偏向、放出方法は個体差が大きい。

人間も魔族も魔力を持つが、その使い方には歴史的・生態的差異がある。



三、コアと魔法


コアは魔法の中核器官である。

解剖学的に必ずしも単一の物質器官として取り出せるわけではないが、存在論的にはすべての生命にコアがある。

コアには以下の役割がある。


* 魔力変換

* 属性偏向の保持

* 固有異能の核

* 記憶と感情の沈殿

* 自己同一性の維持

* 暴走時の収束・破綻の境界面


このため、魔法は精神状態と密接に結び付く。

怒りで火が強まり、恐怖で影が乱れ、執着で血の術が粘着性を増し、慈愛で水や光が安定する。

それは感情が“魔法に影響する”のではなく、魔法がそもそも感情を含む生命構造そのものだからである。




■ 属性魔力の理論



一、属性とは何か


属性とは、魔力が現実へ作用する際の基本的傾向と振る舞いの型である。

火属性であれば燃焼・膨張・放出・破壊・衝動に傾きやすく、水属性であれば流動・浸透・循環・変容・記憶保持に傾きやすい。

属性は単なる元素ではなく、世界との関わり方の癖に近い。


このため、属性は自然現象の模倣ではなく、生命と現実が接触する際に生じる基本的な“相”である。

同じ火属性でも、ある者は爆発に優れ、ある者は鍛造や温存に優れ、またある者は黒炎のように燃焼よりも侵蝕や呪詛を伴う。

属性は枠組みであって、個体差を消すものではない。



二、主属性と副属性


多くの生命は一つの主属性を持ち、場合によって一つまたは複数の副属性を併せ持つ。

主属性はコアの根幹傾向と直結し、術の出力や安定性に最も影響する。

副属性は補助的・変異的に現れ、複合術や特殊な適応を可能にする。


例として、


* 火+雷:高出力・速度重視

* 水+氷:拘束・保存・遅延

* 土+毒:汚染・持続侵蝕

* 影+血:契約・呪縛・追跡

* 光+風:加速・感知・支援

などがある。



三、属性と環境


属性は個体固有である一方、環境の影響も受ける。

火山帯では火・土・毒が強まり、湿地では水・霧・毒・影が活性化し、高地では風・雷・光が通りやすい。

また原始大海残滓のある地域では、属性境界そのものが揺らぎ、通常ではありえない複合属性や異常異能が生まれやすい。




■ 主要属性の体系


以下に代表的属性を記す。

ただしこれは人間社会で一般化された分類であり、魔族社会では別名や別解釈が存在する。



一、火属性


燃焼、放射、衝動、破壊、変成を司る。

高出力で直感的に扱いやすく、軍事利用が最も進んでいる。

反面、制御を誤ると暴発しやすい。

火属性使いは感情に術が引きずられやすく、怒りや焦燥が出力を押し上げることが多い。


応用例:


* 火球、火槍、爆裂

* 熱刃形成

* 鍛造・焼却

* 呪炎、黒炎、腐炎などの変異型



二、水属性


流動、循環、浸透、保存、浄化、記憶を司る。

攻撃だけでなく回復、探知、封印、媒体操作に優れる。

水は情報を保持しやすいため、記憶や感情との相性が強い。

原始大海理論との結び付きも深い。


応用例:


* 水刃、水壁、治癒

* 血流操作の補助

* 記憶媒体への感応

* 霧化、浸食、冷却



三、風属性


加速、切断、拡散、知覚、運搬を司る。

視認しにくく、手数や機動力に優れる。

斥候、暗殺、空中戦、伝令術式などで重宝される。

精神が乱れると散漫になり、出力は高くても精度を欠く。


応用例:


* 風刃、飛行補助

* 音の伝達、気流感知

* 毒霧拡散

* 圧力操作



四、土属性


固定、硬化、形成、圧縮、耐久、重力的な保持を司る。

防御、築城、拘束、地形操作に優れ、戦場制圧能力が高い。

人間文明では最も兵站価値が高い属性の一つ。


応用例:


* 石壁、岩槍、地割れ

* 鉱物精製

* 要塞化

* 骨格強化



五、雷属性


瞬発、穿孔、麻痺、同期、神経系干渉を司る。

高難度だが攻防ともに鋭く、対魔族戦で特に効果が高い場合が多い。

神経や伝達系に干渉するため、単純な火力以上に“崩し”に優れる。


応用例:


* 雷槍、放電

* 麻痺、筋収縮妨害

* 高速移動補助

* 対魔導具無力化



六、氷属性


低温、停止、保存、脆化、遅延を司る。

水属性の派生とみなされることもあるが、独立属性として扱う学派も多い。

氷は破壊よりも、運動と変化を奪うことに長ける。


応用例:


* 氷槍、凍結拘束

* 温度奪取

* 傷口の一時封鎖

* 記憶や感情の鈍化を伴う特殊型もある



七、光属性


照射、浄化、賦活、観測、秩序化を司る。

神殿系魔術、治療、結界、幻惑解除に多い。

ただし純粋な善性を意味するわけではなく、強制的な秩序化や暴露にも働く。

隠蔽系魔族にとっては天敵になりうる。



八、闇属性


遮断、侵蝕、沈降、包摂、無音化、呪いを司る。

しばしば悪として扱われるが、実際には隠蔽、防護、痛覚遮断、墓守の術にも適する。

感情の深層や死の気配と結びつきやすい。



九、影属性


闇と近いが異なる。

影属性は「光があるから生じる輪郭のずれ」に関わるため、潜伏、転位、追跡、模倣、分身に優れる。

知性魔族に多い属性で、人間側では暗殺系統に重宝される。



十、毒属性


腐敗、浸潤、遅効破壊、変質を司る。

単なる毒物生成ではなく、生命構造や魔力回路そのものを汚染する。

長期戦や地形支配に強い。

人間社会では嫌悪されがちだが、医療・解毒学とも表裏一体である。



十一、血属性


生命循環、契約、代償、継承、追跡を司る。

極めて危険で、しばしば禁術扱い。

血はコアに近いため、他者干渉力が強い。

一部の魔族にとっては生得的な主要属性であり、人間が扱うと副作用が大きい。



十二、霧属性


境界の曖昧化、視界阻害、知覚誤認、分散を司る。

水・風・影の複合的性質を持つ。

原始大海の性質を部分的に残す属性とみなされることもある。



十三、星属性


遠隔、運命性、演算、観測、軌道を司る希少属性。

占術や高位魔術に関わる。

因果の傾きや未来相の観測に強い者がいるが、正確さは保証されない。



十四、死属性


終息、断絶、分離、鎮静、還帰を司る。

単なる殺傷ではなく、「存在を終わらせる方向」への作用。

墓守、封印官、一部の高位魔族が扱う。

原始大海への還帰理論と結びつくため、研究は厳重管理。




■ 属性相性の基本


属性相性は単純な有利不利ではない。

火は氷に強い、水は火を抑える、土は風を遮る、光は影を暴く、といった通俗的理解はあるが、実戦ではそれだけで決まらない。

相性を左右する要素は少なくとも五つある。


1. 属性そのものの相克

2. 出力差

3. 制御精度

4. コア安定度

5. 固有異能との噛み合わせ


たとえば水属性が火属性に有利でも、相手が「燃えたものの記憶を辿って再燃する黒炎」を持っていれば一筋縄ではいかない。

また影属性が光に弱いとされても、影側が位置交換や分身を得意とするなら観測そのものを攪乱できる。

ゆえに属性相性は、戦いの入口に過ぎない。




■ 固有異能の定義



一、固有異能とは何か


固有異能とは、属性魔力とは別に、個体または種に刻まれた唯一性の強い能力である。

属性が「どう作用するかの基本傾向」なら、固有異能は「その個体がその個体である理由に近い特異性」である。


固有異能は術式として覚えるものではなく、基本的にはコア深層に既に組み込まれている。

ただし成長や覚醒、極限状態、還帰経験、契約、変異によって初めて発現する場合もある。



二、固有異能と属性の違い


* 属性は広く共有される分類

* 固有異能は再現性の低い特異能力

* 属性は訓練で伸ばせる部分が大きい

* 固有異能は性質そのものの理解が必要

* 属性は外界操作寄り

* 固有異能は存在構造操作寄り


例えば火属性の者が火を生むのは属性魔法だが、「燃やした対象の記憶を一部読む」「炎に焼かれた概念だけを追跡する」は固有異能に近い。



三、発現条件


固有異能は以下の条件で発現しやすい。


* 強い生存圧

* 血統的継承

* 原始大海残滓との接触

* 精神的断絶や極限の喪失

* 種としての成熟

* 他者のコアとの深い共鳴


魔族は種として異能前提で進化していることが多く、人間より固有異能発現率が高い。

しかし人間も発現しないわけではなく、むしろ低確率ゆえに強く社会制度化される。




■ 固有異能の分類


固有異能は無数にあるが、学術上は以下のように分類される。



一、身体変成系


自らの骨、皮膚、血液、影、爪、髪、鱗などを武器化・変質させる。

魔族に多い。

肉体そのものが戦闘手段になるため、武装を失っても強い。



二、感知拡張系


匂い、音、魔力、血縁、恐怖、嘘、記憶の揺らぎなどを感知する。

索敵や追跡に優れる。

人間社会では諜報・治安維持・鑑定にも利用される。



三、因果干渉系


記憶、契約、名前、運命、過去認識、縁などへ干渉する。

非常に危険で稀少。

主人公の《ブックマーカー》はここに属するが、さらに高位である。



四、空間位相系


位置交換、短距離転位、影潜り、空間圧縮、内部格納など。

高機動・奇襲・逃走に優れる。

戦場では一人で部隊価値を持つこともある。



五、再生・適応系


傷の回復、毒耐性、属性学習、環境適応、分裂再生など。

長期戦に強く、討伐難度を押し上げる要因。

モンスター協会が嫌う能力の典型。



六、眷属・群体系


分身、使い魔生成、胞子散布、死体操作、小型個体への分割など。

一体で軍勢となる可能性があり、ランク査定が高くなりやすい。



七、支配・汚染系


恐怖誘導、精神侵食、夢侵入、血統汚染、魔力腐食など。

直接火力が低くても、社会的脅威は大きい。




■ 人間の魔法生態



一、人間の特徴


人間は魔族に比べると、一般にコアの固定度が高く、肉体構造が安定している。

そのため生得的な異能爆発や大幅な身体変成は少ないが、代わりに以下の利点がある。


* 訓練による再現性が高い

* 複数人で同術式を共有できる

* 教本化・制度化に向く

* 魔導具との親和が高い

* 集団戦術へ組み込みやすい


人間の強みは、個の爆発力ではなく規格化された積み上げである。

同じ火球を百人で撃てること、同じ結界を十都市に張れること、同じ治癒術を戦地で反復できること。

これが文明としての強さになる。



二、人間魔術師の系統


人間社会では、魔法使いは大きく以下に分かれる。


* 学院派:理論と術式再現に強い

* 神殿派:光、水、死、封印、治癒に強い

* 軍用派:火、土、雷、集団戦術に強い

* 民間工房派:生活魔術、魔導具、錬金に強い

* 家門秘術派:血統由来の特異術や異能を保持



三、人間の弱点


人間はコアが安定しているぶん、極端な変異や即応的適応が苦手である。

また異能発現が少ないため、未知の状況には教本外対応が遅れる。

魔族のように身体そのものを武器化する個体は稀で、装備依存度も高い。

そのため、想定外の高位魔族や原始大海残滓環境では脆い。




■ 魔族の魔法生態



一、魔族の特徴


魔族は人間よりも、一般にコアの流動性が高く、属性と肉体が密接に結び付いている。

そのため魔力は「使う」以前に「滲み出る」ことが多く、固有異能も器官的・本能的である場合が多い。


主な特徴:


* 属性が身体表現に直結しやすい

* 固有異能発現率が高い

* 種ごとの戦闘様式が極端

* 環境適応が強い

* 個体差が大きく、分類が難しい

* 記録不能な変異が起きやすい


魔族にとって魔法は学ぶものでもあるが、まず“生き方”である。

火に棲む種は燃えず、水の種は湿り、影の種は輪郭を薄める。

人間が術式で火を作るのに対し、魔族は存在そのものが火に偏っている場合がある。



二、魔族の弱点


一見すると魔族は人間より圧倒的に優れているように見える。

しかしその強さはしばしば不安定と背中合わせである。


* 異能暴走の危険

* 個体差が大きく集団規格化しづらい

* 一部の属性や環境に依存しやすい

* コア流動性ゆえ精神干渉や還帰誘導に弱い場合がある

* 種族間で戦術共有が難しい


このため魔族は個体としては強くとも、人間のように大規模制度を築くのが難しいことがある。

もちろん例外として高度文明的な魔族国家も存在しうるが、黙示戦争後に壊れた理由の一部はここにもある。




■ 人間と魔族の根本的差異


人間と魔族は別種でありながら、完全に断絶してはいない。

違いは絶対的なものではなく、コアの固定度と原始大海への近さの差として理解できる。


◼︎人間


* 固定度が高い

* 再現性が高い

* 社会制度と親和的

* 記録文化に強い

* 集団戦に優れる


◼︎魔族


* 流動性が高い

* 変異・適応が強い

* 個体能力が高い

* 固有異能が豊富

* 環境との融和に優れる


この差は優劣ではない。

ただ、戦い方、社会形成、恐怖のされ方が大きく変わる。

人間は「秩序としての戦争」が強く、魔族は「存在そのものの異質さ」として恐れられる。




■ 戦闘体系の全体像


この世界の戦闘は、大きく五つの層で構成される。


1. 身体戦闘

2. 属性魔法戦闘

3. 固有異能戦闘

4. 戦術・地形戦闘

5. コア・因果戦闘


未熟な者は前二者だけで争う。

熟練者は地形、時間差、隊列、誘導、消耗管理を加える。

高位存在になると、名前、契約、恐怖、記憶、過去、再生、封印、還帰といった存在レベルの戦いへ移行する。



一、身体戦闘


剣、槍、爪、牙、尾、角、骨刃、拳など。

どれほど魔法が発達していても、接近戦は依然重要である。

理由は三つある。


* 魔法は集中を要する

* コア干渉には近接が有利な場合が多い

* 魔族は身体そのものが武器化しやすい



二、属性魔法戦闘


遠距離・中距離の主軸。

面制圧、牽制、機動支援、拘束、回復、防壁に使われる。

軍隊では最も規格化された戦闘手段。



三、固有異能戦闘


局面をひっくり返す決定打。

予測が難しく、一対一では属性差を覆す。

討伐難度や高ランク査定に直結する。



四、戦術・地形戦闘


地形、時間帯、気候、補給線、味方との連携、罠、誘導、消耗戦。

人間が最も得意とする。

魔族も縄張り戦では強いが、広域軍略では人間側が優勢になりやすい。



五、コア・因果戦闘


高位同士の戦い。

相手の再生核を断つ、契約を破る、名前を暴く、過去差し込みを拒絶する、還帰を強制する、存在を封じる。




■ 人間の戦闘様式


人間は集団戦・役割分担・兵站運用がうまい。

基本構成は以下のようになる。


* 前衛:剣士、盾兵、土・光補助

* 中衛:火・雷・風の攻撃術者

* 後衛:治癒、水、結界、支援

* 特務:斥候、影使い、封印官、鑑定官


人間の軍は、一人一人が怪物級でなくとも、隊列と規格化で魔族に対抗する。

さらに魔導具、罠、聖印、結界杭、属性弾、対魔族毒などを併用し、相手の優位を消すことに長ける。




■ 魔族の戦闘様式


魔族の戦いは種族ごとの差が大きいが、共通しているのは個体特性の尖鋭化である。

ある種は奇襲に極端に優れ、ある種は再生に特化し、ある種は縄張り全体を術域化する。

隊列戦よりも、環境と自分を一体化させた戦い方を取ることが多い。


例:


* 霧棲種:霧域そのものを感覚器にする

* 地底種:巣穴構造を戦場へ変える

* 血族種:傷つくほど術の精度が上がる

* 影潜種:夜や廃墟で圧倒的優位

* 火脈種:火山や炉場で半不死化


人間から見ると理不尽だが、これは魔族にとっては自然な生態表現である。




■ 戦闘距離とレンジ理論


戦闘は距離によっても分類される。



◼︎遠距離戦


属性魔法、投射、狙撃、感知妨害が主。

人間の部隊戦で多い。

魔族側は地形支配や伏兵で対応する。


◼︎中距離戦


最も複雑。

属性魔法と異能、接近準備が交錯する。

結界、拘束、牽制、罠、補助が重要。


◼︎近距離戦


異能と身体能力が支配的。

魔族優位になりやすいが、人間側も対魔族装備や聖印武器で対抗する。

コア破壊や封印楔打ち込みはこの距離でしか難しい。




■ 術者の鍛錬体系



一、人間の鍛錬


人間の魔法訓練は一般に以下を含む。


* 魔力循環訓練

* 属性安定化瞑想

* 詠唱・術式暗記

* 魔導具使用法

* 集団連携

* 感情制御

* コア保全訓練


人間は再現性が高いので、訓練体系が整っている。

名門学院ほど、理論・実技・精神統制・戦術の全てを教える。



二、魔族の鍛錬


魔族は種ごとに大きく異なる。

狩り、脱皮、儀礼、縄張り争い、冬眠、群れ内模擬戦、歌、血の交換、影遊び、夢の共有など、鍛錬と生活が一体化している場合が多い。

人間のような「授業」ではなく、生きることそのものが鍛錬である。




■ 暴走と破綻


魔法には常に暴走の危険がある。

特にコアが不安定な個体、強い感情負荷、原始大海残滓地域、高位異能使用時には危険が増す。



主な暴走形態


* 属性暴走:火が止まらない、水が自己溶解を起こす等

* 異能逸脱:能力が自己や味方へも向く

* コア破綻:人格崩壊、魔力漏出、怪物化

* 祖返り:種の古い形質が急激に噴出

* 還帰暴走:死属性や原始大海的揺らぎに呑まれる


人間は暴走を病理と見なすが、魔族社会では成長儀礼の危険段階として扱うこともある。

ただしどちらにせよ、暴走は力であると同時に滅びでもある。




■ 魔導具と対抗技術


魔法体系が発達すると、それに対抗する技術も発達する。



◼︎人間側の主な対抗技術


* 属性遮断布

* 結界杭

* 封印楔

* 対魔族毒

* 魔力探知鏡

* 霊素撹乱香

* 聖印武器

* 擬似コア蓄電器


◼︎魔族側の主な対抗手段


* 擬態

* 霊素攪乱

* 地脈利用

* 群れ連携

* 皮膜・鱗による属性耐性

* 記憶汚染

* 再生戦法

* 巣や霧域への誘導


この相互発展により、戦いは単純な強弱ではなく“理解と対策の戦争”になる。




■ モンスター協会による分類基準


モンスター協会が魔族を危険指定する際、重視するのは単純な攻撃力ではない。

以下の要素が総合的に評価される。


* 属性の破壊規模

* 固有異能の予測不能性

* 再生性

* 環境支配力

* 群体性

* 人語理解や知性

* 人間社会への潜入能力

* 記録改変・記憶干渉の有無


つまり、知性や異能の高さはむしろ危険度を上げる。

主人公のように因果や過去に触れる異能保持者は、単純なランク以上に「分類不能」「制度破壊的」と見なされるだろう。




■ 主人公の立ち位置


主人公は魔族として転生し、さらに《ブックマーカー》という因果干渉系の高位異能を持つ。

この時点で彼は、通常の属性使いや一般的高位魔族とは一線を画す。


考えられる特徴は以下の通り。


* 主属性は記憶・流動・接続と相性が良い水、霧、影、血、星のいずれか

* コアが原始大海的に流動している

* 他者の未収束過去へ接続しやすい

* 戦闘では直接火力より、相手の認識・因果・連携を崩すタイプ

* 対人・対魔族どちらにも危険

* 一方で、強固な自我や高位封印には阻まれうる


彼の戦いは、単なる強さ比べではなく、

「その者が何者であるか」を揺るがす戦いになる。

これはこの世界の魔法体系の最深部に位置する能力である。




■ 総括


この世界における魔法とは、生命が世界に刻む自己主張である。

属性魔力はその基本的な振る舞いであり、固有異能は個としての特異性であり、戦闘とはそれらが肉体・環境・記憶・因果と絡み合って生じる総合現象である。


人間は安定したコアをもとに、魔法を学問と制度へ変えた。

だからこそ集団で強い。

魔族は流動するコアをもとに、魔法を生態と存在の一部として保持した。

だからこそ個体で恐ろしい。

この差は、文明と怪物の違いではない。

同じルカの子らが、異なる固定の仕方を選んだ結果に過ぎない。


ゆえに人間と魔族の戦いは、単なる種族戦争ではない。

それは「魔法をどう生きるか」の戦争でもある。

秩序のために規格化するのか、変異のまま受け入れるのか。

記録し管理するのか、揺らぎを抱いたまま生きるのか。

属性はその表層であり、異能はその傷跡であり、戦場はその衝突地点である。


この体系を土台にすると、各キャラクターの戦い方、育ち方、価値観、恐れられ方が自然に分かれていく。

火属性の人間兵がなぜ部隊戦に強いのか。

影属性の魔族がなぜ都市に潜みやすいのか。

血属性がなぜ忌避されるのか。

再生系魔族がなぜ討伐ではなく封印されるのか。

すべてが一つの理屈で繋がる。


そして主人公は、その体系の中でも最も危うい地点に立つ。

彼は魔族でありながら前世の人間性を持ち、属性より深いところで過去と存在へ触れる。

つまり彼は、この世界の魔法が単なる元素操作ではなく、存在の記述そのものを書き換えうる力であることを体現する者なのである。


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