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7,学園へ

本日はリナ視点に戻ります。

※ここから一部不快に感じられる可能性がある差別描写があります。苦手な方はご注意ください。

あの事件から数年が過ぎ....。

——そういえば、あの子はどうしているかな?

「リナー!ごめんだけどこれそっちに持って行って頂戴。」

「はーい!わかった。」

お父さんの仕事の手伝いをしたり入学に向けてバタバタしていた。そのうえ、学園でどんな行動をするか考えているうちに、あの時の少女の顔などがうろ覚えになってしまっていた。


「そういえば、もう少しで入学式ね。準備は進んでるの?」

「うん、昨日のうちに終わらせたよ!でも....本当にエンタール学園に行かなきゃだめ?」

この世界が本当にあの小説の世界だったとき、いじめが起こるのは確実だ。かといって、本当にそうとは限らない。

「そうね~。お父さんの仕事を手伝いたいのなら、行っておいたほうがいいわね。貴族様とも取引することがあるから、礼儀作法を学ぶのにこの上ない学園なのだけど....。本当に行きたくなければ、お父さんとも相談してみるわよ?」

「ううん、ちょっと貴族の人と一緒の学校でちょっと不安に思っちゃっただけなの。だから....。大丈夫。」

「そう?まあ、もし学園で何かあったら相談してね。あまりにも、酷かったら転校も視野に入れるから。」

「....わかった。その時は、相談するようにする。変なこと言ってごめんね。」

「いいのよ。環境がこれから変わるから心配になるのも無理ないもの。」

そんな話をしつつ入学までの日数が過ぎた。


初登校日。

「忘れ物はないわね?」

「うん。必要なものは先に寮に送ってるから大丈夫。」

「そう、それじゃ頑張ってきなさい。」

「は~い!行ってきます。」

その言葉を交わして、私は家から出発した。

「さてと、学園に着いたらまずは教室に向かうっと....。」

学園からの案内を見ながら教室を目指した。


学園に到着すると、周囲の生徒の様子に違和感を覚えた。

「なんか、視線を感じるけど....。え、どこかおかしいところある?」

そんなことを思って、近くにいた人に声を掛けた。

「突然ごめんね。初めまして!私、リナって言うんだけど....。」

「....。」

「なんか、周りの人が私のことを見ているんだけどどこかおかしいところある?」

「....。」

声を掛けた人は、まるで話が聞こえていないかのように先に行ってしまった。


「ねぇ、あの子も平民の子ではなくって?この学園に来るなんて、身の程知らずだこと。」


離れたところにいる生徒が、ひそひそと何か言っている。

——もしかして、小説では書かれていなかったけど、学園では平民は肩身が狭い?フィオナがいじめを行っていたのは、別にありえない話じゃなかったの?

もともと、いじめられないようにするためにいろいろと考えてきたけど意味がなかったのではないかと。考えて歩いていると足に何か引っかかったような感じがした後、思考が途切れ前に倒れた。

「....痛った。何につまずいたの?」

”クスクス”

まるでざまぁ見ろと言いたげに笑われている声が聞こえた。

私は顔が赤くなり、うつむいた。”もう帰りたい”と本気で思ったその時、前から手を差し出された。

「あなた、大丈夫かしら?」

声を掛けてくれた人を見上げると、どこかで見たような、懐かしさを覚える生徒がいた。

「もしかして、ケガをしてしまったの?」

「えっと....。ケガは大丈夫です。ご心配いただきありがとうございます。」

その生徒の手を借り立ち上がり顔を改めて見た。とても懐かしい人を見たような、でもショックを受けたような顔をしていた。

「あの~?」

「....ああ、ごめんなさい。あなたの名前をお聞きしてもよろしいかしら?わたくしはフィオナ・エルヴェールと申しますわ。」

——....え、フィオナ?悪役令嬢の?小説に書いてあった性格と違いすぎない?

「ちょっと、教えていただけないのかしら?」

「....あ。す、すみません。私はリナと申します。助けていただきありがとうございます。」

「べ、別に構いませんわ。困っていたから助けただけですわ。」

扇子で顔を隠しながらそう言われた。


「平民に声を掛けるなんて、フィオナ様は何を考えているのかしら。」


そんな言葉が聞こえ、フィオナの顔が一瞬だけ曇ったのが見えた。

「す、すみません。お先に失礼します!」

私は、急いでその場から離れていった。


「リナ....ね。あの子とは違う子なのかしら?」


私が去った後、そんな言葉をフィオナが戸惑うようにつぶやいた。

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