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6,お茶会にて

今回の話はフィオナ視点になります。

暖かい日差しの差し込むとある場所にて

「フェリクス王子、本日はお茶会に来ていただきありがとうございますわ。」

「フィオナ嬢、お招きいただきありがとう。」

そう挨拶をかわし、席に着いた。

「そういえば、数日前事件にあったと聞いたけど大丈夫だったかい?」

「え....?どうしてしっておりますの?」

「街であったことは私のところに報告が来るようになっているんだよ。もちろん、誰が巻き込まれたとかね。」

「そうなんですのね....。」

今回のことが王子に知られているとは思っていなかったわたくしは目を見開いた。

「それに、婚約者である君に起こったことを知らなかったなんてそんな薄情なことをするつもりはないよ。」

「そ、それは....ありがとうございますわ。」

赤くなった顔を隠すために王子から少し顔をそむけた。


「と、ところであなたにお聞きしたいことがあったのですわ!」

「うん?何かな。」

「平民についてですわ。あなたは、平民とはどのようなものだと考えておりますの?」

「平民について....か。それは、王族としての考えかい?それとも、私個人としての考えかい?」

まさかそのようなことを聞かれるとは思わなかったような驚きが見て取れた。

「....できれば、どちらともお聞きしたいですわ。」

「そうだね....。じゃあ、まず王族としての考えを言おうか。王族としては、国の大事な国民であるという考えだね。実際、平民がいなければこの国は回らないことが多くあるからね。それに、今でこそ王族や貴族、平民ってわかれているけど昔の記録を読むとね、大本をまとめる人はいたけど基本は身分は存在しなかったんだよ。」

「え、身分がなかったんですの!」

「そうなんだよ。王族というものができたのも建国する上で、率いていく人が必要だったから。そして、王族として選ばれた者たちは公平に判断できるものが選ばれたんだ。それも、身分が低いものを蔑まない人であることを条件に。」

「まぁ、そのような歴史があったのですね....。わたくしには、まだ知らないことがあったのですね....。」

「知らないのも無理はないよ。時代が進むごとに貴族という身分ができて自分は平民とは違うんだと考える人も多くなってきているからね。でも、王族としてはそれをするわけにはいかないから建国時代のことを詳しく学ぶんだ。」

「そう....なのですね....。でしたら、個人としての意見はどうなのですの?」

「私個人としての考えも、平民も貴族も大事な国民である考えだね。それこそ、王城で働いている人の中には平民出身の人も働いているしね。今までの働きぶりを見ても、平民出身だからって貴族出身より劣るってことはないからね。君の家にも働いているものはいるだろう?」

「そうですわね。もちろん、いますわ。」

「だから、王族としての考え個人としての考えはどちらも変わらないということだね。君が聞きたかったことに答えられたかな?」

「....でしたら、フェリクス王子あなたは平民は危ないとは思わないのですか?」

「平民は危険ってことかい?それは、一概には言えないね。もちろん危ない人はいるし逆にいい人だっている。」

「で、ですがわたくしを襲ったのは平民ですわ!ならば平民が危険なのは事実なのではなくって?」

「フィオナ嬢は平民は危険だと考えているんだね。」

「....ええ、そうですわ。だってそのように教えていただきましたし、実際に危ない目にもあいましたわ。」

「....それは、誰から教わったのか教えてくれるかい?」

「え?アルベルト公爵様ですわ。」

「....アルベルト公爵か。....確認しておく必要がありそうだな。」

わたくしが教わった方を伝えたら、とても困惑したような顔をされた。

「どうかなさいましたか?」

「いや....なんでもないよ。それよりも、君は事件にあった日は街に行ったんだろう?その時は危険なことだけだったかい?」

「え....そ、それは....。確かに危険なことだけではありませんでしたわ。わたくしが危ない道に行こうとしたとき止めてくださった少女に出会いましたわ。それに、お店のおじさまも貴族の見た目のわたくしに少女と変わらない対応をしていただきましたわ。」

「どうやら、いろいろと経験したんだね。その経験をもってしても、平民は危ない人だけだと思うかい?」

そう王子に問いかけられ、わたくしは頭の中がこんがらかってしまった。


「考えがまとまっていないところにいうことではないんだけど、実はあの時の犯人と話をしたんだ。」

「え....?」

「どうやら彼は、あの犯行を指示した人に家族が人質に取られていたみたいなんだ。」

「人質にですの....?」

「そうみたいでね。だから今は彼に指示した人を答えてもらうために、家族を保護しようと動いているところなんだ。今回のことは脅されたため起こした犯行であるから、彼には減刑の余地が与えられる。君からすれば、あまりいい話ではないけど。」

「あの時は....とても怖かったですわ。でも....あの方も、家族を失うことが怖かったかもしれませんわね」


ふと、頭に思い浮かんだことを聞いてみた。

「もし....。もし、指示をしたものが貴族だった場合はどうなるんですの。」

「それは、たとえ貴族だとしても変わらないよ。人は身分ではなく行いで判断されるべきだからね。それに、貴族だから犯罪を犯さないなんてことはないんだよ。」


「アルベルト先生はこのことをどのように考えるのかしら。今度、いらっしゃるし聞いてみたほうがいいかもしれませんわ。」

「ああ、そのことなんだけど。君がどちらが正しいのかで迷っていることは公爵には話さないでいてもらえるとありがたいんだけど。」

「な、なぜですの?お父様も先生のことをとても信用しているんですのよ!」

「でも、君に偏った知識を教えていた。それは、今回経験したことで理解はできるよね。」

「で、ですが....。」

わたくしはうつむき、答えられないでいると

「まぁ、すぐに結論は出せないよね。今まで信じていたものが、間違っていたとまではいかないけど例外にあってしまったからね。でも、これだけは約束してほしいんだ。それに、平民について知りたいことがあれば協力するつもりだよ。」

「....。わ、分かりましたわ。先生には聞かないでおきます。それに、平民についていろいろと教えてくださるんですよね?」

「ああ、そのつもりだよ。君が自分なりの答えが出せるように。それと、君たちここで聞いた話は漏らさないように。」

周りの者に顔を向け、王子はそうおっしゃった。


”パン”

静まり返った空気を換えるように、音が鳴り響いた。

「さて、難しい話は一度ここまでにしてお茶会を楽しもうか。」

その一言でぎこちないながらも、お茶会を再開した。



それから数年後。

「フェリクス王子、わたくし平民に対する自分の答えがまとまりましたわ。」

「そうかい。じゃあ聞かせてくれるかい?」

「はい、わたくしは....。」


あの時の出来事を経験し、学んだフィオナはどのような答えを出したのか。それは学園に入学後に明らかになる。

そして、リナは

「どうしよう、もうすぐ学園への入学が始まっちゃう!どうするか考えないと。」

いろいろと考えを巡らせていた。

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