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付箋の威力
だるい絡みからようやく解放され、やけにテカった階段を一段ずつ上る。
また引力との闘いか……。
階段を上りきり、教室へ戻る。後ろの扉から入れば、すぐに僕の席だ。
疲れ切っているからか、椅子の前まで来ると、そのまま垂直に腰を落とした。
ひとつため息をついたあと、出しっぱなしの教科書を机にしまう。
続いて、チャックの開いた筆箱を閉じようとして……。
ん? 何か入ってる?
ウグイス色といえばいいのか、淡い緑の付箋が折り紙のように折り畳まれ、小さく結ばれている。
丁寧に畳まれた付箋に一瞬、胸がざわつく。
破らないよう、僕も丁寧に付箋をほどく。そこには――
「tamaki_0815 ゲームのアカウントだよ。 たまき」
雷が落ちたかと思った。
歓喜と同時に、僕の頭の中で警鐘が鳴り響く。
とっさにとった行動は、周囲の状況確認だ。
後ろ、なし。廊下側、なし。正面、なし。
窓際、
そこには、左手で頬杖をつき、右手を小さく振りながら、わずかにほほ笑む天使がいた。
よし、今日からゲームを始めよう。
始めなければ何も始まらない。




