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第四話 夏の約束

「で、結局花火大会は行くの?」


 昼休み。


 凛は俺の机に頬杖をつきながら聞いてきた。


「まだその話してんのか」


「大事なことです」


「はいはい」


「その適当な返事やめて」


 凛は不満そうに眉を寄せる。


 最近、少しだけ。


 こうして学校に来ない日が増えていた。


 でも来た日は、いつも通り笑う。


 だから俺も。


 大丈夫なんだと思おうとしていた。


「浴衣着る?」


「知らん」


「え、見たくない?」


「……見たいけど」


 つい本音が漏れる。


 凛が一瞬固まった。


「……え」


「いや違っ、今のは」


「へぇー」


 凛はニヤニヤし始める。


「神谷湊くん、そういうこと言うんだ」


「うるさい」


「録音しとけばよかった」


「やめろ」


 からかわれてるだけなのに、妙に顔が熱い。


 凛は楽しそうに笑う。


 その笑顔を見ていると。


 やっぱり安心してしまう。


「……っ」


 けれど次の瞬間。


 凛の手からシャーペンが落ちた。


「凛?」


「あ、ごめ」


 拾おうとして。


 その動きが少し遅れる。


「お前、ほんと大丈夫か?」


「だから大丈夫だって」


「最近変だぞ」


「変なのは湊の顔」


「喧嘩売ってんのか」


 誤魔化すように笑う。


 でも。


 その指先は少し震えていた。


 なぜか胸がざわつく。


 嫌な予感が、少しずつ形になり始めていた。

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