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第十五話 君は誰
夏休み最後の日。
俺は凛に呼び出された。
夕方の公園。
ブランコに座る凛は、なぜか少し緊張していた。
「どうした」
「……聞きたいことがある」
嫌な予感がした。
「私たちって、昔すごく仲良かった?」
頭が真っ白になる。
「なんで」
「写真とか見ると、そう見えるから」
凛は苦しそうに眉を寄せる。
「でも、思い出せないの」
夕焼けが滲んで見えた。
「湊といると、なんか変なの」
久しぶりに名前を呼ばれる。
それだけで泣きそうになる。
「知ってるはずなのに、知らない人みたいで」
「……」
「なのに、離れると苦しい」
凛の声が震える。
「私、どうなってるの」
言えるわけがなかった。
全部、お前を助けたせいだなんて。
だから俺は。
笑った。
「気のせいだろ」
最低な嘘だった。




