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第十四話 知らない距離

夏休みに入ってから。


 凛と会う回数は減った。


 いや。


 正確には。


 凛が、俺を誘わなくなった。


『今日は友達と遊ぶ!』


『ごめん予定ある!』


 そんなメッセージが増える。


 前なら。


 まず最初に俺を呼んでいたのに。


「……なんでこんな顔してんだ、俺」


 スマホを見ながら苦笑する。


 分かっている。


 凛は悪くない。


 これは代償だ。


 なのに。


 寂しいと思ってしまう。


 その日の夕方。


 駅前で偶然凛を見かけた。


「あ、神谷」


 神谷。


 まただ。


 もう“湊”とは呼ばれない。


「一人?」


「ん。友達帰った」


「そっか」


 会話が続かない。


 昔なら、くだらない話をいくらでもできたのに。


 沈黙が痛かった。


「……じゃ、また」


 凛が手を振る。


 その姿を見送りながら。


 胸の奥が静かに壊れていく音がした。

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