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第十三話 代償

 その夜。


 俺は初めて、病院へ運ばれた。


 突然の高熱。


 激しい咳。


 呼吸困難。


 原因不明。


 でも分かっていた。


 これは凛の病だ。


「無茶しすぎだ」


 病室。


 窓際に、白い死神が立っていた。


「……お前か」


「契約は進行している」


 淡々と告げる。


「彼女が生きるほど、君は壊れていく」


「分かってる」


「それでも続けるか?」


 答えなんて決まっていた。


「当たり前だろ」


 死神は少しだけ目を伏せる。


「人間は不合理だ」


「うるさい」


 咳き込む。


 血の味がした。


 それでも。


 後悔だけはしていなかった。

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